目次
1. 後期高齢者医療保険料の納め方
後期高齢者医療保険料は原則として年金から差し引く特別徴収の方法で納めますが、納付書や口座振替で納める普通徴収の方法にすることもできます。また、口座振替にする場合には本人の口座だけでなく配偶者の口座にすることも可能です。
2.社会保険料控除の適用
社会保険料控除は、納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合などに受けられる所得控除です。後期高齢者医療保険料はこの社会保険料に該当しますので、後期高齢者医療保険料を支払った場合には社会保険料控除を受けることができます。
3.得する後期高齢者医療保険料の納め方
後期高齢者医療保険料が年金から控除されている場合にはその年金の受給者が保険料を支払っていることになりますので、その年金の受給者の社会保険料控除の対象となります。夫婦それぞれが自分の年金から後期高齢者医療保険料が控除されている場合、夫婦それぞれで社会保険料控除の適用を受けることになります。
一方、たとえば夫の口座から生計を一にしている妻の後期高齢者医療保険料を口座振替にした場合には、夫の社会保険料控除の対象となります。夫の方が妻よりも所得が多い場合、この社会保険料控除を夫で受けた方が一般的に世帯トータルの税金負担が少なくなります。
妻は年金が少なくそもそも税金を払っておらず、夫はある程度年金があり税金を払っている場合などは、この典型的な例となります。
納め方を変更するだけで世帯の税金負担を少なくすることができる場合がありますので、後期高齢者医療保険料を支払っている方は夫婦の所得の状況、現在の支払方法をチェックしてみてください。また、高齢者の方はなかなか気づきにくいので、該当するご両親などがいらっしゃる方はアドバイスしてあげてください。(執筆者:犬山 忠宏)