生命保険料控除証明書が、ハガキまたは封書で、各保険会社から自宅へ郵送される季節になりました。税金の申告時に生命保険料控除証明書を添付すると、所得税・住民税が安くなります。サラリーマンにとって、年末調整の際に必要な書類です。サラリーマン以外の方にとっては、確定申告の際に必要な書類です。提出するまでは、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
目次
勘違いしているかも!? 生命保険料控除についてのQ&A
Q.生命保険料控除の対象は、納税者本人のための保険契約だけである?
A.×
納税者本人のための保険契約とは限りません。納税者本人が保険料を負担している契約であれば、被保険者が誰であっても控除の対象です。ただし、保険金受取人は、本人・配偶者・親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)のいずれかに限ります。したがって、こども保険・配偶者のための生命保険や個人年金なども対象となる場合があります。
Q.所得から控除される金額は、年間保険料である?
A.×
所得から控除される金額は、年間保険料ではありません。生命保険料控除証明書に記載されている、控除の対象となる年間保険料(=申告額)を基に手計算をした値が所得から控除される金額(生命保険料控除額)になります。
Q.安くなる税金は、生命保険料控除額そのものである?
A.×
安くなる税金は、生命保険料控除額とは異なりますし、年間保険料とも異なります。安くなる税金は、生命保険料控除額に税率を乗じた金額です。所得から生命保険料控除額を差し引くことで、税率を乗じる大元の所得が下がります。結果として所得税と住民税が安くなるしくみです。
安くなる税金=生命保険料控除額×所得に応じた税率(所得税・住民税を合わせて15~50%)
Q.生命保険料控除証明書は全て提出する?
A.×
生命保険料控除額には上限金額が設定されています。上限金額を超過した分についての控除証明書は提出不要です。
所得税における生命保険料控除額は、制度全体で最高12万円まで。
新旧制度は、さらに細かく区分されています。
内訳は…
●旧制度:一般生命保険料控除・個人年金保険料控除
⇒控除額は、それぞれ最高5万円
●新制度:一般生命保険料控除・個人年金保険料控除・介護医療保険料控除
⇒ 〃 最高4万円
どの制度が適用されるかについては、加入している保険ごとの控除証明書上に明記されていますので確認してください。
Q.新制度と旧制度が混在している場合、新制度を優先する?
A.×
平成24年以降、生命保険料控除は新・旧制度が混在しています。旧制度を優先した方がお得になる場合があります。まず旧制度の、一般生命保険料控除・個人年金保険料控除、それぞれの合計年間保険料を計算しましょう。
目安として…
旧制度のみ(控除額は最高5万円)で申告する方がお得!
年間保険料が6万円未満の場合:
新制度も合わせて(控除額は最高4万円)申告!
以上です。(執筆者:長沼 満美愛)