みなさんのところにも、生命保険料控除の書類が届いたころだと思いますが、あなたは生命保険料控除で損をしていませんか? 「よく分からないから捨てちゃった」なんていうのはもってのほか! しっかり年末調整して税金を取り戻しましょう! (捨てちゃった人は、早めに再発行の手続きを!)
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生命保険料控除の仕組み
会社員やパート、アルバイトなどの人は、毎年年末調整によって、払い過ぎた税金が返ってきます。(配布された書類に記入するだけの簡単な手続きですね)
このとき、生命保険料控除の証明書を添付することによって、税金が少し多めに返ってくるというのが生命保険料控除です。
いくら控除されるかは控除証明書に記載されていますから、確認しましょう。たとえば、5万円控除されると書かれていれば、本来なら3万円返ってくるはずだった税金が、3万5千円返ってくることもあります。(返ってくる金額は所得によって変わります)
個人年金や介護保険の契約もある場合は合計で1万円以上返ってくることもありますからバカにできません。
※自営業の方や年途中で退職した人などは、確定申告で生命保険料控除が使えます。
税金を払っていない人には意味がない
共働き世帯の場合、妻は「年収103万円以下」に抑えているというケースが多いと思います。103万円というのは所得税がかからないギリギリのラインです。
そして、生命保険料控除というのは所得税を安くするための制度ですから、もとから所得税がかかっていない人の場合は、生命保険料控除を使う意味がありません。
妻の保険であっても夫の年末調整に使うことはできますから、夫に提出してもらうようにしましょう。
逆に考えれば、103万円に抑えなくても、生命保険料で控除される分だけ多めに働いても所得税はかかりません。5万円の控除が受けられるなら、108万円まで稼いでも所得税はかからないということになります。
税率が高い方で控除する
生命保険料控除は、所得に応じて返ってくる所得税が変わります。これは、所得によって税率が違うため。税率が5%の場合と10%の場合では返ってくる所得税も2倍変わってきますから、所得が多い方の人が申告しましょう。
ただ、生命保険料控除は上限額が決まっています。複数の保険契約があって控除額の合計が多い場合は、所得が多い方の人が限度額いっぱいまで使い、残りは所得が少ない人のほうで申告するのがオトクになりますよ。
生命保険料控除で得になるのは所得税だけじゃない!
年末調整で生命保険料控除証明書を提出すると払い過ぎた所得税が返ってきますが、さらに、翌年の住民税にも反映され、住民税が安くなるというメリットもあります。
それだけではありません。子供の保育料も、安くなる可能性があります。
保育所や学童クラブなどの保育料は、所得に応じて決まっていますよね。生命保険料控除を使うとその控除額の分だけ所得を減らすことができます。所得を減らしたことによって料金表のランクが一つ下がるかもしれません。
所得税や住民税だけではせいぜい1~2万円程度の節約効果でも、保育料が変われば年間で数万円変わってくる可能性もありますから、共働き世帯の場合は特に、しっかり生命保険料控除を使いたいものですね。(執筆者:吉見 夏実)