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12月25日に内閣府が発表した2013年度の「家計貯蓄率」はすでにご覧になったでしょうか?
家計貯蓄率とは、所得からどれだけ貯金したかを表す指標なのですが、その家計貯蓄率が「-1.3%」となったのです。貯金大国日本で貯蓄率がマイナスになった意味を、簡単にひも解いてみたいと思います。
目次
家計貯蓄率低下の原因は?
貯蓄率が低下しているということは、それだけお金を貯金ではなく消費に回したということだから、景気が上向きの証拠では? という声があるのですが、それはちょっと違います。貯蓄率低下の主な原因は2つです。
(1) 高齢化
お年寄りの方がより長生きになったというのは喜ばしいですが、今の老齢の方の中で老後を意識してお金を運用してきた人はごく少数です。年金やそれなりの貯金はあるのですが、想像以上の長生きのため貯金で何とか生活費を補填している状態です。
そのため貯蓄率が低下。結果、ここ数十年で貯蓄率が初めてのマイナスに。景気が良くなって個人消費が多くなったわけではなく、高齢化が主な原因となり貯蓄率が低下しているんです。
(2) 増税前の駆け込み消費
ご存知の通り、2014年4月~消費税が8%に増税となりましたが、「増税前にいろいろ買いだめしちゃおう」 という駆け込み消費も原因の一つとなっています。
見えてきた問題点と各人ができる対策法
貯蓄率低下で見えてきた問題点と、わたしたち一般庶民との関係を考えてみましょう。
貯蓄率が低下するということは、日本国債の買い手が減少傾向に向かうと考えられます。日本の借金は2014年6月末時点で1039兆円を超えていますが、それでも日本が財政破綻しない大きな理由は、日本人が日本国債を買ってくれているからなんです。しかし、日本国債の買い手が減少すれば、日本の財務状態は悪化の一途をたどることに…。
長期金利上昇や悪い円安が起こるリスクが高まるかもしれない日本国に、年金を含めた老後の面倒を見てもらおうという考えは捨てた方が良いでしょう。老後の生活を自分で賄えるよう、今から準備を進めるべきです。
老後の準備は、早ければ早いほど効果が高まります。若い皆さん、比較的若い中年層の方も含め、老後資金を少しでも増やせるよう、今、準備を始めませんか?
老後資金を少しでも多くするためには、銀行の定期預金だけでは不十分です。一昔前でしたら、銀行定期預金が7,8%は当たり前でしたが、今は0.5%ほどです。
例えば、100万円を年利7%の定期預金で5年間複利運用すれば、5年後には約140万円になったのですが、0.5%の複利運用では約102万5千円。いずれも税金は考慮していませんが、違いは一目瞭然です。年間金利7%まではいかなくとも、少なくとも4~5%ほど期待できる資産運用を、今すぐ始めたいところです。
年間金利4~5%期待できる資産運用は何か、その正解と言えるものはありませんが、決して非現実的な話ではありません。現実的に十分に期待できる数字です。具体的な資産運用法に関してはまたの機会にお話しできればと思いますが、今回の貯蓄率から得られた大切な教訓、覚えておいていただければ幸いです。
自分の老後をしっかり賄えるかどうかは、すべてあなた次第です。(執筆者:堀 聖人)