去年の10月末に「12月株価上昇アノマリー」をご紹介しました。12月にかけて株価が上昇するアノマリー(頻繁に発生する現象)に注目し、11の銘柄にスポットを当てたのですが、「12月株価上昇アノマリー」は信頼に値するのか? それとも参考程度に過ぎないのか? 分析することにしました。
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結論から申しますと、2014年に関して言えばかなり信頼できるアノマリーでした。まず、注目した11銘柄の10月末の株価と12月の最高値をご覧ください。(12月最高値のあとの括弧内数字は最高値をつけた日付)
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目次
注目点
11銘柄すべてが10月末株価より値上がりした
外部・内部要因が関係してきますが、12月にかけて値上がりしましたので、「12月株価上昇アノマリー」はそれ相応の信頼性があるかと判断できます。
割安株だから値上がりするというわけではない
10月の記事の中で、イチカワ(3513)とクレハ(4023)が割安で放置されている点にふれました。その後の株価の動きを見てみると、クレハは12月初頭にかけて値上がりしていきましたが、イチカワはほぼ横ばい。数字上は10円の値上がりですが、大きな株価上昇とは言えません。ですから、「12月株価上昇アノマリー」は割安株が上昇していくという現象ではないのかもしれません。
「12月株価上昇アノマリー」の他にもう一つ、株価上昇の根拠がある銘柄を買う
アノマリー11銘柄の中で、特に注目したのが「ニプロ(8086)」。ニプロは去年11月の改正薬事法施行における医療機器関連銘柄として要注視だった銘柄です。株価は880円から1080円近くまで、約22%の上昇となりました。
ここから分かるのは、12月株価上昇アノマリーに基づく株価上昇予測に加え、もう一つ株価上昇の根拠がある銘柄を買うことで、結果として確実な利益獲得を期待できます。
12月株価上昇アノマリーのまとめ
2014年の「12月株価上昇アノマリー」について検証してみましたが、重要ポイントをまとめてみたいと思います。
◆2014年の結果を見ると信頼性は高い
◆割安株が必ず上昇するとは言い切れない
◆他要因からなる株価上昇根拠のある銘柄を買うこと
以上の点に留意し、今年2015年の年末に備えたいところです。(執筆者:堀 聖人)