個人事業主にとって、悩ましいものが確定申告です。特に納税については、良い話をあまり聞きません。納税したお金が健全に使われていることが、見えないことが残念です。歴史を見ても、年貢について、たくさんの騒動が起きています。このような経緯から、納税不審からはじまり、私自身、確定申告に良いイメージがありません。
しかしながら、税制を変えることは大きすぎる話です。そこで、しっかりと納税すべきものは納税することとします。このとき、多くの人は申告資料作成に勢力を使い果たしてしまいます。そのため、大切なことを見落としてしまいます。
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目次
確定申告資料から浮かび上がる大切なこと
大切なのは、確定申告資料から浮かび上がる事業内容のチェックです。確定申告をすることにより、貸借対照表と損益計算書が完成します。その他、経費のリストも出来上がります。
ここで質問です。
確定申告をすることにより、健全か不健全化が明確にわかります。大家であるあなたが、これに気が付く最大のチャンスが確定申告です。
例えば、中古アパートを所有している人では、予定していた経費以上に修繕費がかかりすぎてはいませんか。中古アパートでは、修繕費が利益を上回るケースが多々あります。
または、予想以上に空室率が高くありませんか。
修繕費については毎月出るものではありません。1年を通してどれほど支払ったかを確認することが大切です。年間の家賃収入を上回ることは、必然的に赤字となります。赤字物件ならば、事業の改善を真剣に考えなければなりません。しかも、それは時間に余裕がなく、早急な対策が必要です。これは、珍しい話ではありません。
例えば、地方の中古アパートで、家賃が4万円を切る場合、物件によっては、2万円台の地域も珍しくありません。この立地と家賃である場合に、もしエアコンが故障したらどうでしょう。
エアコンの修繕でも、廃棄費用、室外機や配管手数料を入れると、6万円を超えてしまうこともあります。これだけで、2-3か月分の家賃が吹っ飛んでしまうこともあります。それに加えて、空室であると、大変なことになります。空室が6カ月も続くようですと、先ほどの3か月分の家賃に加えて、6カ月の入金がない、この部屋の利益は3か月分。
仮に、月家賃が2.5万の地方のワンルームだとしたら、1年の利益は、7.5万以下しか残っていません。このケースはやや極端ですが、地方の物件、中古物件では、この可能性がないとは言い切れません。
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確定申告後だからこそやるべきこと
ここでお伝えしたいのは、将来このようなことが起こりそうなのか。または、それは心配ないといえるのか。これについて、今年の確定申告から見えることがあるのです。賃貸経営は、たいてい大きな変化は起きません。けれども確定申告を再度見直すことで、見えてくるものがあります。
それは、将来の事業性や要改善点などです。
確定申告を終え、ほっと一息ついている今だからこそ、やるべきなのです。
この他の事例では、例えば、
銀行から送付されるローン借入返済表と照合をお勧めします
確定申告では家賃と空室率と経費などから収支が見えています。借入返済表からは将来に支払うべき、利息額が分かります。この利息の返済が減ると、収益は改善するように見えますが、不動産所得税は増えることが予想されます。
減価償却表との照合をお勧めします
減価償却表から見える経費計上分がなくなったときにも、税務上の収益が大きく出て、同時に不動産所得税額が上がります。このとき、より健全な新規の収益物件の取得を検討する機会です。そして、「その時期がいつなのか」についても、確定申告にヒントがあります。
悪い事業については改善を考えること。良い事業については、将来の節税対策を考えること。その判断材料が、確定申告書です。
確定申告を完成させた今だからこそ、冷静に見つめなおしてください。また、実績があり、信頼のおける専門家に相談をすることも有効です。引き続き、安定して優良な賃貸経営を継続させてください。(執筆者:大長 伸吉)
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