2015年6月1日に自転車に関する道路交通法が改正されました。今回の改正で大きく変わったのは、道路交通法を違反し、2回以上摘発された人への「自転車運転者講習の義務化」です。
※講習の受講料は5700円
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スマホや携帯を操作しながらの運転や、2人乗り、傘をさしながらの運転、イヤホンで音楽を聴きながらの運転などは「安全運転義務違反」とされ取締りの対象となります。
そもそも今回の法改正の背景には何があったのでしょうか。
目次
自転車事故の被害増加
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自転車による人身事故は増加の一途をたどっています。
2013年、当時小学5年生の子どもが自転車を運転し、当時62歳の女性と正面衝突した事故で、約9500万円という高額賠償の判決が出ました。この事件は子どもが加害者になるわけですが、「監督義務を果たしていない」と判断されて親に賠償請求されました。
この事件以外にも、被害者が死亡や後遺障害が残った事故で5000万円以上の判決が出ているケースが近年続出しています。
高額賠償の判決を受けて自己破産をする方も出てきてる中、2015年4月に兵庫県は自転車保険の加入義務化にふみ切りました。
自転車事故の加害者は、子どもや高齢者が多い現状です。特に、交通ルールを知らない子どもが事故を起こしたときは、親が高額の賠償金を支払う事になるので自転車保険は考えておく必要があります。
自転車事故の高額賠償をカバーできる保険の種類
では自転車事故の高額賠償をカバーできる保険は何があるでしょうか。
・TSマーク付帯保険
・自動車保険
・個人賠償責任保険
などがあげられます。
自転車保険
「自転車保険」は自転車事故に特化し、損害賠償を負担してくれる保険です。
条例で義務化した兵庫県は「ひょうごけんみん自転車保険制度」という、年間保険料が1,000円の自転車保険を作りました。兵庫県内で自転車を運転される方のみが加入できる保険ですが、1,000円で家族の誰かが加害者になってしまった場合、5000万円まで保障されます。個人的には兵庫県の方が羨ましいと思う保険です。
もちろん、各保険会社が出している自転車保険も多いのですが、火災保険・医療保険・生命保険・カード保険・障害保険などの特約としてすでに付いている場合もあります。
TSマーク付帯保険
「TSマーク付帯保険」は自転車安全整備士が点検整備した安全な普通自転車に貼るシールに付いている保険です。
整備するお店によって金額は違ってきますが、1,500円~2,000円程度が多いようです。購入する店によっては購入時に貼ってくれる場合もあります。シールは青と赤があり、保障内容が違いますが、高額賠償をカバーできる赤をオススメします。
2014年10月1日に赤色TSマーク付帯保険の補償内容が改定となり、賠償補償の限度額が2000万円から5000万円に引き上げられ、被害者見舞金が新設されました。
保障期限はシールに書かれている日付から1年。少し手間に思うかもしれませんが、1年ごとに整備を受けに行くことで自転車のメンテナンスができ、保障も自動更新できます。
自動車保険
車を購入時に加入するほとんどの自動車保険には「人身傷害補償保険」が付いています。
「人身傷害補償保険」には、自転車による事故をカバーできるものがあります。購入車両運転時の保障として加入されている方が多い保険ですが、実は保障の幅を広げ、自転車の事故も対象にすることが可能です。
万が一、対人事故を起こしたときに、車でも自転車でも相談窓口をひとつにすることができます。また加害者になってしまった場合、示談交渉サービスが付いている保険が多いのが特徴です。
個人賠償責任保険
「個人賠償責任保険」は日常の生活の中で、法律上の損害賠償責任を負担してくれる保険です。自転車事故だけではなく、子どもが友達に怪我をさせてしまったり、買い物中に商品を破損した場合や、ゴルフで他プレイヤーに怪我をさせてしまった場合など、日常に起こるたくさんの賠償責任を負担してくれます。保険料自体は割安で月額100円以下で1億円の保障が付いているものもあります。
こちらも火災保険・医療保険・生命保険・カード保険・障害保険などの特約として付いている場合が多いです。
TSマーク付帯保険以外は、現在加入中の保険に特約として付いている可能性があります。一度、加入している保険の保障内容を確認してみましょう。
特約などでカバーされていなかった場合
ではあらためて、保険に加入する場合はどうすれば良いのでしょうか。
まず、現在加入中の保険に「追加で特約付加できないか」を調べます。火災保険や自動車保険、けがの保険などの傷害保険は1年自動更新のものが多いので、更新月に特約を追加できるものが多いようです。
では、特約に付けるのは何が良いのでしょうか?
わたしのオススメは「個人賠償責任保険」です。
自動車保険の「人身傷害補償保険」は保険料が割高になるものが多いですし、「自転車保険」は賠償の対象が自転車事故のみで他の賠償には支払われないからです。「TSマーク付帯保険」はシールの貼られた自転車による事故のみが対象なので、家族で複数台所有している場合は割高になることもあります。
「個人賠償責任保険」は幅広い賠償責任をカバーしてくれるだけではなく、保険料が割安なものが多いのが特徴です。選ぶ時のポイントは、保険料や保証金額の比較はもちろんですが、「家族全員」が対象で「示談交渉サービス」が付いているとさらに安心です。
おわりに
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自転車は免許の必要もなく、だれでも乗ることができて便利なものですが、いったん事故を起こしたら重大な怪我や死亡の可能性もある乗り物です。
必ずしも自転車事故に特化した保険でなくても良いですが、事故時の高額賠償に対応できる保険に加入することをオススメします。
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特約でカバーできていない場合は、今の保険に特約として追加できるか調べる
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必要な保障内容を検討して加入する
自転車は車の仲間です。交通ルールを子どもにも教えて、安全な運転を心がけましょう。(執筆者:川中 理佐)