ついに、という言葉が正しいのか。 “ついに” ギリシャのデフォルトが決定しそうな雰囲気です。今までに何度もデフォルト危機を迎えたギリシャですが、今週が最大の山場となるのでしょうか。
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目次
6月22日の週の注目ポイント、「ギリシャの行方」
今週はギリシャ動向に大注目です。
30日:ギリシャ、15億ユーロ(約2100億円)の債務返済期限
22日の午後10時(日本時間)、ユーロ圏財務相が会合を開くことになっています。会合内容をかわいく言うと、「ギリシャ、デフォルトにしちゃう?」というもの。(デフォルト:債務不履行の意味。借金を返せないことが決定する)
ギリシャはIMF(国際通貨基金)などから融資を受けることによって、なんとかデフォルトを回避している状態です。融資を継続して受けるためには、融資条件を受け入れる必要があります。
しかし、ギリシャのチプラス首相は “条件” をなかなか受け入れないのです。というのも、2月に発表した国内向けの政策は大衆融合的なものであり、それまでの金融緊縮財政を破棄する内容だったからです。
失業率20%以上のギリシャ国民に対し緊縮財政破棄を約束してしまったチプラス首相。これから生活改善に向けて手を打ちます! と、宣言したわけです。そんなチプラス首相に緊縮財政による財政再建を迫るEU。この状況をチプラス首相は打破できるのでしょうか。
金融緊縮財政実行を条件とし融資を受けることができていたギリシャですが、その緊縮財政を受け入れないとなれば、EU(欧州連合)からの支援を得られないのは当然です。
そこで、「年金改革や課税ベース拡大に関して新規提案をしなさい」と、ギリシャは迫られています。つまり、EUが納得できる財政再建案を出せ、ということ。しかし、新たな提案は今のところ提出されていません。
そんな状況で開かれる22日のユーロ圏財務相会合と緊急首脳会議。条件を受け入れないギリシャに対し、「これ以上融資はしませんよ」と本気で迫ることになるのかもしれません。
22日の財務相会合と首脳会議がなぜ重要なのか。それは、今月30日がギリシャの返済期限だからです。15億ユーロ(約2100億円)を返済することになっており、もし返済できなければ「7月1日からデフォルトだ」と、IMFラガルド専務理事が “脅迫” しています。
ただし、「借金は必ず返済する」というのは、世界共通のルールです。一般的に、借金が返せない場合は破産確定となり、残っている財産は差押えとなります。それが嫌ならお金を返しなさいというのは、道理的な話です。
あなたがクレジットカードを利用してキャッシングしたとしましょう。でも、後になってお金がないので返せませんといって、カード会社が見逃してくれることはありません。借りたお金を返すのは、当然の義務です。
国家規模で同じことが起きています。「借金を返しなさい」という要求に対し、「都合が悪くて返せません」と言うのは子どもの言い分。債務返済不可ならばデフォルトになって当然なのです。
ギリシャがデフォルトになったらどうなる?
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仮にギリシャがデフォルトになったとしたら、ギリシャ国民の生活に深刻な影響を及ぼすことになるかもしれません。
ギリシャは、とりわけエネルギー資源や医薬品は海外からの輸入に依存しています。しかし、デフォルトになるとそれら生活必需品がギリシャ国内に入ってこなくなる可能性があります。
電気、ガス、医薬品が全くない、または買えないほどの高額だったとしたら、国民が困窮するのは間違いありません。今でも失業率が異常に高く、必死で生きているギリシャ国民にとって大打撃となるでしょう。
そんな状況を何としても避けたいギリシャ国民とチプラス首相。チプラス首相はどんな秘策を持っているのか。それとも自分の信念に固執する、ただの “子ども” なのか。火傷しないように遠くから見物しましょう。
日本株への影響は?
ギリシャがデフォルトになったとしたら、日本株式市場への影響はあるのでしょうか?
あると思われます。しかし、影響は限定的でしょう。きっと、リスクオフ発動で一旦株価が下がるものの、下がったところで買われる展開になるのではないかと見ています。
ギリシャがデフォルトになれば、特にEUはその尻拭いをしなければなりません。しかし、長期的に見れば今の状況を長引かせるよりも、デフォルトになってギリシャがEUを離脱したほうがEU圏や世界経済に好影響かと。
デフォルトでも日本株式市場への影響は限定的で、もしかしたら株価の下落も予想以上に限定的かもしれません。
いずれにしろ、今週のギリシャ動向は要チェックです。株投資をしている人は、株価が下がったところで買い、このスタンスで。銘柄選別は早めにしておいたほうが良さそうです。(執筆者:堀 聖人)