銀行で定期預金するなら、金利が高ければ高いほど預金者である私たちの気持ちも比例して “ハイ” になりますよね。銀行にお金を入れておくだけで利息というおまけが貰えるのですから、金利が高いほうが嬉しいのは当然です。
現状では、定期預金0.2~0.3%(年利)くらいが相場ですが、地方銀行のそれを比較すると0.5%以上のものも。それなら今利用しているネット銀行よりもお得? と思うのはごもっともかと。地方銀行金利、あなどれません。
ただし、実際に “使える” かどうかは別問題です。地方銀行は利用価値があるのか、ちょっと調べてみました。
目次
まずは金利について調べてみた
地方銀行の金利を調べていると、「香川銀行セルフうどん支店」が目に飛び込んできました。
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インターネット支店やWeb支店という名称が王道ですが、香川の名産を活かしたネーミングにちょっと魅かれます。HPに注意書きがあり、「さぬきうどんは販売しておりません」とのこと(笑)
何はともあれ、一番気になるのが金利です。1年もの定期預金「超金利トッピング定期預金」の詳細を見てみると…
期間:1年(自動継続。元金継続か元利継続を選択可)
預入金額:1万円以上100万円以下
預入単位:1円単位
利用条件:セルフうどん支店セルフ総合口座保を持っている個人
その他詳細 ⇒ http://www.kagawabank.co.jp/udon/syohin/cyokinri.html
…となっています。金利0.400%はかなり高いほうです。先日、楽天銀行で「円定期預金3カ月もの スーパー特別金利キャンペーン」が実施され、金利は0.500%、預入期間が3カ月限定と考えると、金利0.400%は評価して良い数字です。
(参考記事:定期預金キャンペーンの金利は冷静に正しく見よう)
でも、本音を言えば、金利は高ければ高いほうが良いですよね。そこで、さらに高金利の地方銀行を探してみました。ヒットしたのが、北都銀行あきたびじん支店。
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1年もの定期預金金利が0.50%(年利)となっています。ただし、条件が一つ。「秋田県或いは秋田県内の市町村へふるさと納税をした人限定」というものです。
ふるさと納税に興味がない人。ふるさと納税をする必要がない人。そもそも秋田県内への寄付に賛成できない人。こんな人にとってはハードルの高い条件となってしまい、金利0.50%が必ずしもお得だとは言い難いのです。
実は、北都銀行あきたびじん支店に限らず、1年定期金利0.5%を越えてくると、何らかの条件が付されることが多いんです。
朝銀西信用組合で「福岡支店リニューアル記念 特別優遇金利」が実施されています。
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1年定期預金金利はなんと0.7%(年利)。しかし、100万円以上の預入が条件で、組合員限定のキャンペーンとなっています。組合員とは…
“当組合に出資されている方を組合員と称しています。組合員になるためには下記の資格を有し、当組合が承認した方であればどなたでも組合員になることが出来ます。
出資金は定款において1口/500円と定められておりますが、よろしければ20口/1万円からの組合員加入をお願いしております。
【資格】当組合の営業区域内にお住まい、もしくはお勤めの個人の方、また当組合の営業区域内に事業所をお持ちの法人・個人事業主の方。“
(ソース元:朝銀西信用組合 www.chogin-nishi.com/campain/fukuokarenewal.html-)
…と、こんな組合員条件が。最低でも500円、できれば1万円の出資金を! とのことですね。仮に100万円を金利0.7%で1年間預けたとすると、利息は7,000円です。しかし、500円出資したなら差引金利0.65%、1万円出資なら赤字です。メリットないですね~。
と考えると、香川銀行セルフうどん支店やその他地方銀行の年利0.40%はハードルが低く、落としどころなのかと思います。
実際 “使える” のか?
年利0.4%は悪くないということがわかりましたが、実際 “使える” のかが気になるところです。口座開設は誰でもできるのか? 全国どこからでも入金はできるのか? この2点について見てみます。
口座開設は誰でもできるのか?
先に挙げた香川銀行セルフうどん支店を例に見てみたいと思いますが、口座開設は全国に住んでいる人誰でも開設できます。とりわけ印鑑と本人確認書類が用意できる人なら、問題ないと思われます。
口座開設方法は、インターネット上から申込む方法と電話で申込む方法の2通りありますので、お好みで。
入金方法は?
香川銀行セルフうどん支店口座への入金は、香川銀行ATMに加え、提携ATMからも入金可能です。提携ATMは…
・セブン銀行
・ゆうちょ銀行
・イオン銀行
・徳島銀行
・4YOUNET提携行
・みずほ銀行・三井住友銀行
・その他
…となっており、たいていの提携銀行ATMは時間内取引であれば無料で入出金ができます。セブン銀行、ゆうちょ銀行、イオン銀行などは全国どこでもありますから、定期預金を始めるのに不便はなさそうです。
余談ですが、たとえばネット銀行大手の新生銀行は基本的に実店舗がなく、セブンイレブン内に設置されているセブン銀行ATM等提携銀行ATMを利用して預金の入出金を行ないますよね。香川銀行セルフうどん支店に口座開設したとしても、結局は同じことかと。
預金先は違うものの提携銀行ATMを利用して入出金をするわけですから、一般のネット銀行口座で預金するのと何ら変わりはないなあ、というのが率直な印象です。
地方銀行は利用価値があるのか? まとめ
地方銀行を定期預金口座として利用する価値はあるのか? ある、と思います。ただし、一定の条件をクリアした地方銀行を選択することが重要です。まとめると、
・預入金額条件が高いと利用しづらい
・組合会員費など、余計な手数料がかからないこと
・全国どこからでも、誰でも口座開設できること
・提携ATMを利用して不便なく入手金できること
と、これらが地方銀行がクリアすべき条件となります。これら条件をクリアしているならば、定期預金口座として「利用価値あり」と判断できるでしょう。
ただし、あくまでも定期預金口座としての地方銀行。メインバンクとして利用するかどうかは別の話です。(執筆者:堀 聖人)