以前の記事、「定期預金の金利が気になる方必見 地方銀行の利用価値を調べてみた」の中で、一定の条件を満たした地方銀行インターネット支店を活用し定期預金をする方法を分析しました。それをふまえ、今回は高金利の定期預金、厳選4つを紹介します。
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目次
結論
高金利の定期預金ならこの銀行 厳選4つ
・香川銀行 セルフうどん支店
・トマト銀行 ももたろう支店
・荘内銀行 わたしの支店
・愛媛銀行 四国八十八カ所支店
定期預金を始めるのに適した銀行の条件5つ
高金利の定期預金を提供する銀行は比較的たくさんあるのですが、金利が高くなるにつれ様々な条件が付されることが多いのも事実です。
たとえば、信用組合に入会しいくらかの出資金を支払うことが条件、などなど。金利氷河期時代の今、100円でも200円でも多くの利息を得られればと思うところですが、出資金を支払うのではせっかく獲得した利息と相殺に…。
そうした状況をふまえ、誰でも容易に始められる定期預金を前提とし、以下の5つの条件をクリアする銀行の定期預金を比較することにしました。
2)預入金額条件がなるべく低いこと
3)組合会員費など、余計な手数料がかからないこと
4)全国どこからでも、誰でも口座開設できること
5)提携ATMを利用して不便なく入手金できること
これら条件をクリアしている銀行をピックアップしたところ、今回ご紹介できるのは4つとなりました。それら4口座を紹介する前に、預金の運用の仕方についてふれておきます。
元利継続型と元金継続型の違いとは
定期預金には元利継続型と元金継続型の2タイプがあるのですが、この2つの違いをしっかり把握しておきましょう。どちらを選択するかで、満期になったときの資産に大きな差が出るんです。
元利継続型は翌年度に元金と利息の両方を預金するタイプ、元金継続型は翌年度も元金のみ預金するタイプです。
金利(年利)が0.40%ならば、100万円を預金すると1年間の利息は4,000円です。(税抜前) 翌年度、1,004,000円を預金するのが元利継続型です。それに対し、元金継続型は毎年100万円の預金で、獲得した4,000円の利息は預金者の手元に残り、翌年度利息分を預金はしません。
元利継続型の特徴は、預金年数が長いほど資産が増えるメリットがありますが、預金が終わるまで手元に利息は入ってきません。
元金継続型は毎年金利に応じた利息を受取れるので、定期預金をして利息を得られた感が強い、というメリットがあると思います。それをメリットと感じる人が多いかは別問題ですが。
「資産を少しでも増やすために定期預金を」とお考えならば、前者の元利継続型のほうが効率が良いのは確かです。ニーズとお好みで選択してください。
では、お待たせしました。【9月編】として、高金利定期預金提供の銀行を厳選4つ、ご紹介です。
香川銀行 セルフうどん支店
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商品名:超金利トッピング定期預金
金利:0.40%
定期預金期間:1年(自動継続できます)
預入金額:1万円以上100万円以内
預入単位:1円単位
セルフうどん支店というのは、要はインターネット支店です。通帳の現物はなく、取引明細はネット上で確認することになります。一般のネットバンクとの取引と違いはないと考えて良いと思います。
この定期預金は1年ものですが自動継続可能です。翌年度、元利継続型か元金継続型を選択し預金を継続できます。
セルフうどん支店の「超金利トッピング定期預金」は、1万円から1円単位で預金できます。これは定期預金の条件としてかなりハードルが低く、誰でも簡単に預金を始められるお手頃預金商品と言えます。
数万円、数十万円だけ定期預金したいという人には、とりわけイチオシの商品です。
トマト銀行 ももたろう支店
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商品名:スペシャルきびだんご定期預金
金利:0.40%
定期預金期間:1年(自動継続できます)
預入金額:1万円以上100万円以内
預入単位:1円単位
トマト銀行ももたろう支店も、預金通帳のないインターネット専用支店です。
「スペシャルきびだんご定期預金」の詳細ですが、先に挙げた香川銀行セルフうどん支店の「超金利トッピング定期預金」と全く同じ内容の定期預金商品です。違いが見つかりません。
金利(0.40%)、定期預金期間(1年で自動継続)、預入金額(1万円以上100万円以内)、預入単位(1円単位)、すべて同条件です。今のところ違いがないので、銀行の規模や支店名「桃太郎とうどん」で好きなほうを選んで良いかと思います。
個人的には「セルフうどん支店」がいいですね。香川でうどんめぐりがしたいと思っていますから。移住するなら香川が候補地の一つです、余談ではありますが。
荘内銀行 わたしの支店
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商品名:「わたしの支店」専用定期預金
金利:0.40%
定期預金期間:1年、3年、5年(自動継続できます)
預入金額:1口100万円以上1000万円以下
預入単位:1円単位
こちら荘内銀行の「わたしの支店」はインターネット専用支店のことです。上で紹介した、セルフうどん支店やももたろう支店と同じ位置付けと考えてください。
定期預金の正式名称は「自由金利型定期預金M型」で、愛称が「わたしの支店専用定期預金」とのこと。預金商品に愛称を付けることで少しでも知名度や人気度が上がれば…と狙っているものと思われます。確かに、正式名称より愛称のほうが親しみやすい感じはありますね。
預金商品は3タイプに分類されています。
・1年もの(単利型)
・3年もの(複利型)
・5年もの(複利型)
単利型は元金継続のことで、複利型は元利継続となります。
利息の計算方式ですが、単利型は1年を365日とする日割り計算で、複利型は6カ月毎の複利計算となります。
つまり、単利型は金利0.40%(税引き前)に応じた利息を1年後に受取れます。さらに1年間預金するならば、さらに1年後金利に基づいた利息を受取れるというわけです。
複利型の場合、6カ月毎の複利計算ということですから、初めの6カ月は元金での預金、その後6カ月ごとに元金と利息に対して金利がかかり預金することになります。
香川銀行やトマト銀行は1万円から預金できますが、荘内銀行わたしの支店では1口100万円から。ちょっとハードルが高いのがネックになるでしょうか。そして、元利継続型は3年か5年定期ですので、縛られる月日が長いのがデメリットかもしれません。
愛媛銀行 四国八十八カ所支店
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商品名:100万円限定だんだん定期預金
金利:0.40%
定期預金期間:1年(自動継続できます)
預入金額:1人100万円1口のみ
インターネット専用支店の愛媛銀行 四国八十八カ所支店提供の「100万円限定だんだん定期預金」。1年、100万円限定の定期預金です。
1年満期後、元金継続または元利継続のどちらかで定期預金を継続できます。1口100万円となっており、荘内銀行と同じく若干ハードルが高い定期預金です。ただし、預入期間は1年縛りですから、その面で負担は大きくなさそうです。(執筆者:堀 聖人)