FX取引で利益を上げる手法の一つに「スワップ運用」というものがあります。今回はスワップ運用で利用するFX口座の決め方について見ていきます。
目次
この記事の結論
FXのスワップ運用で利用するFX口座を決めるときのポイントは、自分が運用したい通貨のスワップ金利が平均的に高いFX口座を選ぶことです。また、運用する通貨によっては、利用するFX口座を変える必要があります。
FXのスワップ運用とは
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そもそもスワップ運用とは何でしょうか。
FX取引は、米ドル/日本円、豪ドル/日本円のように、かならず2か国の通貨間取引となります。具体的に言うと「米ドルを日本円に対して売る」とか、「豪ドルを日本円に対して買う」といった売買取引です。
どの通貨にも金利というものが設定されているのですが、「政策金利」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか? 国の景気事情によって決められる政策金利ですが、基本的に景気の良い国の通貨は高金利、景気の悪い国の通貨は低金利となっています。
FX取引において、低金利通貨に対して高金利通貨を買うと金利差が生じます。この金利差によって得られるのがスワップ金利であり、スワップ金利を主な目的としてFX取引することを「スワップ運用」と言います。
人気が高い高金利通貨と言えば、豪ドル、ニュージーランドドル、南アフリカランドなどです。それに対し、低金利通貨として “人気が高い” のは日本円やユーロになります。
高金利通貨を低金利通貨に対して買うと、ほぼ毎日スワップポイントが付与されます。その通貨を保有する限り毎日スワップポイントを獲得でき、そのスワップポイントをコツコツと貯めるのがスワップ運用です。
気をつけたいのは、高金利通貨に対して低金利通貨を買ってしまうことです。たとえば、豪ドルに対して日本円を買い、かつ日をまたいで保有するとスワップポイントを支払わなければなりません。
スワップ運用の大前提になりますが、低金利通貨に対して高金利通貨を買うことが絶対条件です。
FXスワップ運用で利用するFX口座の決め方 ポイント2つ
では、本題に入りましょう。FXスワップ運用をしたいというならば、利用するFX口座の選び方が非常に重要になります。
なぜ、重要なのか。そのポイントを2つ挙げてみます。
1)自分が運用したい通貨のスワップ金利が平均的に高いFX口座を選ぶこと
FX口座を分類すると、スワップポイントに力を入れている口座とそうでない口座の2つに分けることができます。スワップ運用はスワップポイントが狙いですから、スワップポイントに力を入れているFX口座を選別すべきなのは言うまでもありません。
選別する口座が違うと、同じ通貨を取引したとしても獲得できるスワップポイントに大きな差が生じます。参考までに、現時点における3通貨ペアのスワップポイントをご覧ください。
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(※取引通貨量1万通貨の場合。獲得スワップポイント/日)
スワップ運用派に人気の3通貨ペアを挙げてみました。3通貨ペアのうち2通貨ペアの最高スワップポイントを提供するのは「ライブスター証券」です。スワップポイントに力を入れているFX会社なんだろうと想像できるかと思います。
実際、FXについて少しでも知っている人なら、「スワップ運用=ライブスター証券」とすぐに思い浮かべられるほど、ライブスター証券がスワップ金利に力を入れていることは周知の事実です。
ライブスター証券のように、常に高スワップ金利を提供するFX口座でスワップ運用すること。基本中の基本となります。
じゃあ、スワップ運用派はライブスター証券を使えば良いと結論付けられるかというと、そうとは言い切れません。スワップ運用におけるもう一つのキーポイントを見てみます。
2)運用する通貨によって、利用するFX口座を変えなければならない
もう一度、先に挙げた表を見てください。
ニュージーランドドル/日本円通貨ペアにおける高スワップ金利提供のFX会社は、ヒロセ通商、JFX、岡三オンライン証券の3社が群を抜いており、ランク外のライブスター証券は78円/日と、12円の差があります。1年保有したケースでは、4,380円もの差が生じる計算になります。
さらに、岡三オンライン証券はニュージーランドドル/日本円では高スワップですが、豪ドル/日本円では40円/日となっており、ライブスター証券の約63%しかスワップポイントを手にすることができません。
要は、運用したい通貨ペアによって利用するFX口座を変える必要があるということです。
運用したい通貨ペアを決めたら、FX各社の通貨スワップポイント履歴を確認しましょう。(各社ホームページに掲載されています) そして、平均的に高スワップ金利を提供しているか、その他FX口座と比較することが重要です。
金利リスクに要注意
FX各社のスワップ金利を比較し、平均的に高スワップ金利を提供しているFX口座でスワップ運用すること。これがスワップ運用の基本であること、お分かりいただけたと思います。しかし、高スワップ金利のFX業者を利用していても、金利リスクには十分注意が必要です。
各国金利は景気動向によって変動するものですから、今は高金利であっても今後も高金利が継続するとは限りません。もちろん金利が下げられればスワップ金利も下がりますので、獲得できるスワップポイントに影響がでるのは間違いありません。
先の表の中で、ニュージーランドドル/日本円通貨ペアにおいて、ヒロセ通商とその他2社が最高の90円を提供しています。しかし、90円という高スワップが維持される保証はないのです。
先日、ヒロセ通商からこのようなメールが届きました。
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このメールを簡単にまとめると、「ニュージーランド金利が下げられたので、今後90円/日のスワップポイント提供は無理」ということです。
スワップ運用にはこのような金利リスクが存在します。金利が下がれば通貨も売られることになり、為替差益がマイナスになる可能性があります。
こうした金利リスクを想定した上でスワップ運用を手掛けることが重要です。(執筆者:堀 聖人)
ヒロセ通商⇒公式サイトへ