
お財布の中に現金が入っていると気持ちが大きくなってどんどん使ってしまうことはありませんか?
無駄遣いの多い人や貯金が苦手な人には、根本的な気質の傾向として「なんとかなる」、「まぁいいや」という前向きな人や楽観的な人が多いように感じます。
前向き思考、楽観的思考の人は生きていく上では「生きやすい人」かもしれませんが、反面、備えることが苦手な人も多いのです。
そのような人は、あらかじめ自分で1日あたりに使える上限額を設定してその金額しかお財布に入れておかないようにするのです。あればあるだけ使ってしまう人、ついつい気が大きくなってしまう人、意識はあるのになかなか節約を実行できない人には効果テキメンですよ。そもそも「ない袖はふれない」ですものね。
目次
1日に使ってOKな上限額を自分で線引きする
家計簿をつけていなくても、だいたい1日にこれくらい使っているとか、◯万円が1週間でなくなるといった消費ペースは感覚的にあると思います。最初はこの感覚を頼りに始めてみましょう。
この、「自分で」上限額を線引きするということが貯金したり、無駄遣いをやめる第一歩としてとても大切なことなのです。
上限額を決めたらいつも通りに生活するだけ

お財布にお金を補充するのは1、2週間に1回くらいの頻度がおすすめ
です。(毎日こまめに補充することに苦痛を感じないパターンの人は、そもそも「家計管理や貯金ができる人」ですものね)
使う配分や上限額については、最初はトライ&エラーの繰り返しです。何回か繰り返していくうちにだんだんと節約思考になっていきますので、初期のうちは「失敗も成功のうち」とどーんと構えましょう。
しばらくトライしているうちに、いつものコンビニで肉まんやおでんのついで買い(肉まんやコンビニおでんの恋しい時期ですよね)を「今日はヤメておこうかな」と”なんとなく”思う自分に変わっていることに気づけると思いますし、その頃には生活費のコントロールも自然と上手になっているはずです。
以前の自分から少し変わったことに気づけた人は、もう「節約(貯金)できる人」です。目標をもう少し高めに設定したり、積極的に貯金額を増やすための行動を起こしてみてください。
「貯金できる人」のなり方

ところで、貯金できる人と、貯金が苦手な人の違いはどこからくるのでしょう。
色々な要素がありますが、一番の違いは「貯金が楽しいと感じるか、そうでないか」といえるのではないでしょうか。逆をいえば、貯金できる自分に変わりたいなら「貯金は楽しい」と脳に覚えさせるだけでいいということです。
最初はラクに達成できそうな目標設定から始めることがコツです。小さな成功体験を積み重ねることで自分の脳に「節約、貯金=楽しい、うれしい、おもしろい」というポジティブな情報を繰り返しインプットしていきます。
例えば、1か月に15万円使っていた人なら、1週間で3万円、1日あたり5,000円くらいから始めます。最初はゆる~いくらいがちょうどよいのです。
いきなり最終目標の(例えば1か月6万円以内)を設定してはいけません。
達成できなかったときの挫折感や、達成するための日々のストレスは脳に「節約や貯金は辛い、嫌だ、めんどくさい」とインプットしてしまう可能性があるからです。脳がネガティブ情報を覚えてしまうと、修正には何倍も時間と労力を要しますのでご注意を。
目標をクリアできたら、次は2万5千円、その次は2万円……と徐々に最終目標に近づけていきます。成功のコツの二つ目はひとつの目標に対して1、2か月間は続けること。成功体験=快感を定着させる期間を設けることです。より強いポジティブ情報として脳が覚えてくれるため一見遠回りのようですが実は、確実に「貯金できる人」に近づいていく方法なのです。
はじめの一歩に気負いは不要
人は「限りがある」と認識していると無意識にストッパーが働きます。なので、節約するぞー! と特別気負う必要はありません。むしろ気負いは失敗につながりますので、いつも通りに生活すればいいのです。
最初の数回は、いままでの「あればあるだけ」の行動習慣や感覚が抜けなくて次回補充までに使い切ってしまうこともあるかもしれません。そんなときは持ち前の前向きさで「よし、次は気をつけよう」と気持ちを切り替えることも必要なことです。ただし、なぜ今回は失敗したのかの分析はしっかりしておきましょうね。
貯金や節約が苦手な人、無駄遣いが多いのに行動を変えられない人にははじめの一歩として、このゆる節約で「自分もやればできる」と気づくことから始めてみてはいかがでしょうか。(執筆者:山内 理恵)