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大阪から発生した「全日本おばちゃん党」
大阪から発生した「全日本おばちゃん党」なるグループがあります。
大阪にとどまらず全国展開している、女性だけの政策集団です。
政策集団といっても生活に根付いた、おばちゃん目線のものですが、その代表の谷口真由美氏がこの「一億総活躍」というネーミングに対し、
と言っていたのを思い出します。
どうもこのネーミング、しっくりとはこないですね。
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一億総活躍社会実現対話
2016年2月28日、安倍総理は一億総活躍社会実現対話を実施しました。
その席上で総理は、
「希望出生率1.8」
「介護離職ゼロ」
という大きな目標を掲げ、この三つの的に向かって新しい「三本の矢」を放ちます…と挨拶しました。
安倍総理は挨拶で、少子高齢化に向けて真正面から取り組むとして、「成長と配分の好循環」を生み出すとしています。
具体的には、補正予算に、保育士と介護士をそれぞれ50万人ずつ上積みし、待遇改善にも取り組むようです。
最低賃金についても、1,000円を目指し、年率3%を目途に引き上げ、過去最高水準の企業収益を労働者の皆さんに分配していくと表明しました。
まるで連合会長になったかのようで、ちょっと選挙を意識していますかね。
さてここまではいいのですが、この「一億総活躍社会」とは、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、誰もが活躍できる社会と表現していますが、ようは、日本人全員で働いてGDPを押し上げようということなのです。
現在のGDPは名目で約490兆円、安部総理の目標額600兆円にするには、あと110兆円増やさなければなりません。
人口減少の今の日本において、どうしても労働者の数を増やさないといけないということなのです。そのためには女性にも高齢者にも、障害者の人にも働いてもらおうというのが、一億総活躍の意味なのですね。
そういわれると「一億総活躍」というネーミングが理解できます。
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「一億総活躍社会」の3本の柱
第一の柱:非正規雇用者の待遇改善
安倍総理の挨拶は、働き手を増やすところから、今度は働き方に言及しています。
ここで出てくるキーワードが「同一労働、同一賃金」です。
このキーワードですが、グローバル社会になると、海外労働者が沢山やってきますが、彼らのほとんどは低賃金労働者かと思います。彼らの水準に日本の労働者も合わせるということなのでしょうか。
それがグローバル社会ですからね。
いままで働いてきた賃金を減らして多くの人に分配する、「成長と配分の好循環」でしたっけ。
その観点で次の総理の言葉を聞けば、なんとなく理解できそうです。
第二の柱:長時間労働の是正
なるほど、残業するなということですね。ホワイトカラーエグゼンプション(ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度)ってありましたね。
第三の柱:高齢者の就業促進
安倍総理の挨拶はまだ続きます。
このような高齢者の皆さんの希望を叶え、健康で長生きしていただくためにも、人口が減少する中で我が国の成長力を確保していくためにも、高齢者の皆さんの就業促進策について『一億総活躍プラン』で取り上げていきたいと考えています…」
希望をかなえ…といわれても、60歳を過ぎても働かなければならない事情があるのではないでしょうかね。
60歳を過ぎると給料は大きく減ります。
『ニッポン一億総活躍プラン』の策定
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そして安倍総理の挨拶は終わりに近づきます。
よくできていますね。
総中流社会…そんな言葉もありました。高度成長期の言葉でしたかね。
いまは格差社会です。
中流階級の人たちは、海外の低賃金労働者と競争しなければならなくなりました。
世界のシンクタンク「ユーラシア・グループ」のイアン・ブレマー氏は、これからの労働環境に関して、
・ 低所得者層はテクノロジーや新興国の労働者により2020年までに敗北宣言をする
と警告を鳴らしています。もはやこれらのことはリスクではなく現実のことになっていると思われます。
私たちは、いままでのような、会社依存の没社会の働き方では、選択されない社会構造になってきていることを理解しなければならないでしょう。
もはや総中流という言葉は夢のかなたです。
安倍総理の一億総活躍社会実現対話の場での挨拶の内容から、一億総活躍社会の本質に迫ってみました。
どんな社会になっていくのでしょうかね。住みづらい世の中になるのでしょうか、それともチャンスを見出せる社会になるのでしょうか、すべては自分次第ということですね。
それが真の自助努力なのでしょう。(執筆者:原 彰宏)