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子育て世帯の7世帯に1世帯が、ひとり親世帯
厚生労働省の調査によるとシングルマザーの世帯数は約124万世帯。シングルファザーの世帯数は約22万世帯。
子育て世帯は約1050万世帯なので、子育て世帯のうち約7世帯に1世帯は1人親世帯ということになります。
ひとり親になった理由は離婚が約80%。
ひとり親になるのは誰でも他人事とは言えないのです。
ひとり親の公的制度を利用しよう。
ひとり親の経済的支援としては、死別の場合は遺族年金。
支給されるのに一定の条件は必要ですが、遺族基礎年金で子供1人(18歳年度末まで)なら年約100万円。所得税もかからないので助かりますね。
離別の場合は、児童扶養手当。遺族年金よりは低額ですが、養育費や就労収入に応じた額が支給されます。
ひとり親医療費制度もあり、病院へかかったときの自己負担を軽くすることもできます。
・ 教育訓練を受けられたり、
・ 無利息で貸付が受けられたり、
・ 日常生活を支援するサービスを低額で受けられることもあります。
お住まいの福祉事務所へ確認してみましょう。
児童扶養手当を受けているひとり親は、公共料金や交通機関を使うのに減免を受けることもできます。
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まずは、亡くなった夫の保険を請求しよう! 相続も大丈夫?
亡くなった夫の保険は請求しましたか? 忙しさに忘れていませんか?
夫が高齢で年金をもらっていたときはもらい残りの年金、若くして亡くなっても遺族年金(受けられなければ死亡一時金)、葬祭料、高額療養費の払い戻し、など社会保険の一時金は、2年で時効になるので気をつけて!
大黒柱はたくさん保険をかけていたかも知れませんね。
死亡保険金、医療保険の給付金、所得補償保険の給付金、請求しておきましょう。
時効は3年なのですが、例え過ぎていもあきらめないで保険会社に交渉しましょうね。
住宅を購入している場合は、夫が死亡しても住宅ローンは団体信用保険で返済され、そのまま住み続けられることが多いです。
名義を変更しましょう。登記手数料などかかる場合もあります。住宅にかけていた保険の名義人も変更する必要がありますね。
マイナスの財産があまりに多い場合は、相続放棄も検討しましょう。放棄すると共有名義の家などを失うことになるので覚悟も必要です。
保険証券は、何枚ありますか?
ひとり親には公的な支援制度もありますが、特にシングルマザーの方は、今まで大黒柱としての保険には入っていないので、保険を見直してみましょう。
保険証券や加入者証は何枚ありますか? 夫から引継ぎする保険(購入住宅の火災保険など)は手続きを済ませましょう。
何が心配なのか、じっくり考えてみよう
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シングルマザーの「万が一」もたくさんあります。
死亡、病気、ケガ、働けなくなった、リストラにあった、障害が残った、などです。
やはり心配なのは生活費や学費など「お金」でしょうか。
シングルマザーは何しろ大黒柱。まずは今の保険証券を見てみましょう。
保険料、被保険者、契約者、保険期間、保険の種類…。どんな時、誰にいくら、いつ支払われるか…。
「どんな時に」、「いつ」は見落としやすい部分です。
「保険の種類または補償の内容」が「医療保険」なら、ゆとりがなければ小さめの保障にしてもいいでしょう。
ひとり親には医療制度が充実している自治体が多いからです。
本人契約、本人受け取りの保険は、本人が障害などで動けなくなった場合に備え、お子さんが未成年なら指定代理請求人にしっかりした近親者を指定しましょう。
シングルマザーが万一亡くなった場合、お子さんは遺族年金を支給されることもあるのですが、高校卒業までの学費が心配ですね。
学校卒業の間の学費を保障してくれる安い掛け捨て保険料の共済がCorpにあります。
住むところや職業、周囲のサポート状況によって保障は異なる。
シングルマザーの万一のとき、持ち家や子供が駆け込める場所(パパママの実家など)があるなら、賃貸よりは保障額は少なめでも成人まで大丈夫でしょう。
保険料が高くても火災保険に地震保険をつけるのは、持ち家は特に必須です。
厚生年金・健康保険に入る会社員だと社会保険から給付金を受けやすいので、自営業よりは保障は小さめでも大丈夫です。
社会保険の給付金を受けづらい自営業は特に、万一体をこわして働けない場合に備え、死亡保険より所得補償保険に入るといいでしょう。
貯金の額とも相談
貯金が100万円に満たない場合は、めったにないとはいえ、万一のときを心配ですね。
なるべく貯金も同時にできるように、同じ保障なら保険料が低めのもの、または共済やミニ保険なども視野に入れて、保険選びをしてみてはいかがでしょうか?
平成27年9月生命保険実態調査では世帯の平均保険料負担は38万5000円でした。
これは平均なので、これだけ入っていなければならないわけではありません。
シングルマザーの収入は厳しい世帯も多いので、保険料に無理がなくシンプルでわかりやすい保障のものを選びましょう。(執筆者:社会保険労務士 拝野 洋子)