ブルーンバーグ電子版の記事に、日本の年金資産が日本市場を買い支えているという記事が出ていました。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や公務員らが加入する共済年金は、日本株や外国証券の投資に対して依然として積極的です。
目次
日本株の保有額が最大を記録
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日本銀行が25日公表した昨年10~12月期の資金循環統計では、日本株の保有額は過去2番目の規模に膨らんだ上、外国証券は最大を記録しています。
年金が株を買い支え、円安を支えていることが明らかになってのです。
GPIFや国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、年金特別会計などの「公的年金」は昨年10~12月期に日本株を4,611億円、海外の債券や株式を1兆3,353億円買い越しています。
日本株の買い越しは2四半期連続で、保有残高は41兆7,430億円と2四半期ぶりの増加です。
外国証券は7四半期連続の買い越しで、残高は2四半期ぶりに増え59兆5,155億円と最高を更新しました。
つまり、今の水準を維持しているのは、全て年金のおかげということです。
国債・財融債は売り越しで減少
一方、国債・財融債は7,044億円売り越しです。
売り越しは10四半期連続で、昨年末の保有残高は51兆8,218億円と2004年9月末以来の水準に減少。
国庫短期証券はほぼ横ばいでした。
国債・財融債と国庫短期証券を合わせた「国債等」の残高1,036兆円のうち、公的年金は全体の5%を保有し、構成比では3カ月前と変わらずです。
これで、GPIFの年金特別会計の分を含めた昨年末の積立金は全体で約141.9兆円。
そのうち、国内債は約53.6兆円、国内株は約33.1兆円、外債は約19.2兆円、外株は約32.4兆円でした。
構成比では、国内債は37.76%と最低を更新。
国内株の23.35%と外債の13.50%は過去2番目の高さ、外株は22.82%と最高を記録しました。
自分たちの年金保険料で日本の株価を支えている
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年明け以降の円高・株安が再燃した状況でも、GPIFは長期的な収益確保のため、リスク資産への投資を続ける方針です。
GPIFと主要3共済は昨年3月に共同で策定した「モデルポートフォリオ」を公表、昨年10月からはGPIFと運用を一元化し、利回り目標やリスク許容度などを共有しています。
これって、私たちが、自分たちの将来のために納めている保険料で、日本の株価を支えているということになります。
驚きませんか。
私たちの老後生活を支える年金保険料で、日本の株式市場を下支えしているのです。
私たちの年金保険料で、投資家を儲けさせているのです。
かつてはグリーンピア事業で年金財政を逼迫させましたが、近い将来、株式投資で年金資産が逼迫することはないのでしょうか。
国債は私たちの預貯金
もうひとつ、国の借金は1,057兆2,235億円、国民一人当たり833万円の借金を抱えていると報道されています。
借金の内訳で888兆円は国債です。誰が国債を買っているかといえば銀行です。
誰のお金で銀行は国債を買っているかといえば、私たちの預貯金です。
それを日銀が買って銀行に資金供給しているのです。
つまり、私たちの預貯金は、銀行を経由して日銀にプールされているのです。
日本の国債は、ほとんどが国内で買われているので大丈夫、破綻することはないといわれますが、私たちの預貯金で日本国債を銀行が買っているから、それは当然でしょう。
日本には1,500兆円もの個人預金があるから、国のバランスシートは大丈夫という人がいますが、よく考えたら勝手に私たちの預貯金が使われているということを言っているようなものですね。
国の借金、イコール私たちの国への貸付ということです。国民一人当たり833万円、国に貸しているのです。
にもかかわらず、国の借金をなくすために消費税を上げ、社会保障サービスを縮小させ、債権者である私たち国民が、なぜかまた国の借金補填のためにお金を出してあげることになっているのです。
受けるべき社会保障を我慢してです。
今、本当に消費税を上げ、年金支給を減額する必要があるのか
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消費税を上げなければ社会保障が持たない、年金支給を減らさない限り国が持たない、いつのまにかこの論理が正義となり、まるで錦の御旗のようになり、マスコミもこぞってその旗を振りかざしているのです
。
私たちの年金と預貯金で国を支え、なおかつ税金を納め、それで投資家は儲け、アベノミクス長者とよばれる億万長者が生まれています。
ゆうちょ銀行は外国債券投資を加速させます。私たちの貯金でアメリカを支えるのです。
かんぽ生命はアフラックのがん保険を売っています。国会では、かんぽ生命にがん保険製造販売の認可を出しませんでした。
どこまで日本人は人がいいのでしょうね。(執筆者:原 彰宏)