平成28年4月14日の午後9時頃に、熊本県熊本地方を震源とする、最大震度7の地震が発生しました。
まだ予断を許さない状況が続いておりますが、余震が収まったら生活の立て直しを始めると思います。
今回はそういった時に役立つ、返済不要の「3つの助成金」と「貸付制度」について紹介します。
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目次
1. 被災者生活再建支援制度
地震などの自然災害により、10世帯以上の住宅が全壊した市区町村などの被災世帯に対して、国と都道府県から支援金が支給される制度です。
この支援金の金額は次のように、住宅の被害の程度に応じて支給される「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」を、合計した金額になります。
【基礎支援金】
・ 住宅が全壊した世帯:100万円
・ 住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯:100万円
・ 災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が、長期間継続している世帯:100万円
・ 住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ、居住することが困難な世帯:50万円
【加算支援金】
・ 住宅を再建、または購入した世帯:200万円
・ 住宅を補修した世帯:100万円
・ 住宅(公営住宅以外)を賃貸した世帯:50万円
以上のようになりますが、世帯人数が1人の場合には、それぞれの金額は4分の3になります。
またこの制度は上記のように、国と都道府県が主体になって実施しておりますが、申請手続きは市区町村の窓口で行います。
2. 災害見舞金(災害障害見舞金)
地震などの自然災害により、住宅の滅失した世帯が5世帯以上ある市区町村などの被災世帯に対して、市区町村から見舞金が支給される制度です。
災害見舞金は市区町村が主体になって実施している制度のため、支給対象やその金額などは、それぞれの市区町村によって若干の違いがあります。
例えば熊本市の場合は、次のような支給対象および金額となる、「小災害見舞金」を支給しているようです。
なお熊本市の制度の概要については、「熊本市地域防災計画書(平成27年度改訂版)」から引用しましたので、より詳しく知りたい方は、こちらを参考にして下さい。
・ 全焼、全壊または流失:1世帯につき2万円
・ 半壊または半焼:1世帯につき1万円
・ 床上浸水:1 世帯につき5,000円
・ 重傷:1人につき7,000円
・ 死亡:1人につき5万円
また熊本市では自然災害による病気やケガで、一定の障害状態になった方に対して、125万から250万円の「災害障害見舞金」を支給しているようです。
3. 災害弔慰金
地震などの自然災害により、住宅の滅失した世帯が5世帯以上ある市区町村などで、死亡した方の遺族に対して、市区町村から弔慰金が支給される制度です。
市区町村が主体になって実施している制度のため、支給対象者や弔慰金の金額などは、それぞれの市区町村によって若干の違いがありますが、例えば熊本市の場合は、次のようになっているようです。
【支給対象となる遺族および順位】
「配偶者 → 子 →父母 → 孫 → 祖父母」の順になりますが、死亡した方により生計を主として維持していた遺族を先、その他の遺族を後にします。
【弔慰金の金額】
・ 死亡当時、生計を主として維持していた場合:500万円
・ その他の場合:250万
災害援護資金
「災害救助法」が適用された地震などの自然災害で、主としてその世帯の生計を支える方がケガをして、1か月以上の療養が必要になった場合、または家財や住居に被害を受けた場合に、市区町村から最大で350万円の、貸付を受けられる制度です。
その貸付限度額などは、市区町村によって若干の違いがありますが、例えば熊本市の場合は、次のようになっているようです。
【貸付限度額】
主としてその世帯の生計を支える方がケガをして、1か月以上の療養が必要になった場合、次のような金額になりますが、家財や住居の状態によって違いがあります。
・ 家財や住居に損害がない:150万円
・ 家財に3分の1以上の損害 :250万円
・ 住居が半壊:270万円 (350万円)
・ 住居が全壊 :350万円
また主としてその世帯の生計を支える方がケガをしておらず、1か月以上の療養が必要ない場合、次のような金額になりますが、家財や住居の状態によって違いがあります。
・ 家財に3分の1以上の損害 :150万円
・ 住居が半壊:170万円(250万円)
・ 住居が全壊 :250万円 (350万円)
・ 住居の全体が滅失か流失:350万円
なお被災した住居を建て直す際に、その住居の残っている部分を取り壊さざるを得ないなど、特別の事情がある場合は括弧内の金額です。
【所得制限】
同一世帯に属する方の所得を合算した額が、次の金額未満でなければ、貸付を受けることはできません。
・ 1人世帯:220万円
・ 2人世帯:430万円
・ 3人世帯:620万円
・ 4人世帯:730万円
・ 5人以上世帯:730万円に世帯人員が1人増すごとに、30万円を加算した額
つまり世帯の人数が多いほど、貸付を受けやすくなりますが、その世帯の住居が滅失した場合は、1,270万円になります。
【据置期間(元金の返済を据え置く期間)】
3年
【償還期間】
10年(据置期間を含む)
【金利】
年3%(ただし据置期間は無利子)
今回の記事の要点
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例えば「お住まいの市区町村の名称 災害見舞金」といったキーワードで検索すると、お住まいの市区町村が実施している制度の概要や、手続き方法などがわかります。
そのため今回紹介した助成金(被災者生活再建支援制度、災害見舞金、災害障害見舞金、災害弔慰金)や、貸付制度(災害援護資金)の名称だけでも覚えておくと、いざという時に役立つと思うのです。
またお勤めしている会社が福利厚生の一環として、災害見舞金、傷病見舞金、死亡弔慰金などを支給している場合がありますので、こういった制度の有無についても、覚えておきたいところです。(執筆者:木村 公司)