アメリカでは20%の富裕層が93%の資産を保有していると言われている。
逆に言えば残り80%の人がわずか7%の資産を分け合っていることになる。
貧乏人はずっと貧乏人のままで金持ちはどんどん金持ちになる、と言われるがこれは正しいだろうか?
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目次
利回りに貧富の差はない
長年お金に関わるビジネスに関わってきた私の経験からすると、これは大方本当のことのようである。
という理由をすごく簡単に言えば、生きてゆくのに必要な分以外のお金(余裕資金)がたくさんあるのでそれをふんだんに投資に回して増やしてゆけるからである。
お金持ちでない人は生活に必要な資金以外の余裕資金が少ないので投資に回せるお金も少ない。
仮に1,000万円を持っている庶民と1億円持っている富裕層がいるとする。
年間の生活費が500万円かかるとすると、庶民の年間の余裕資金は500万円で富裕層は9,500万円ということになる。人間が生きてゆくのにかかる費用は本来そんなに変わらないのだ。
年5%といえば債券とか投資信託とか比較的ローリスクでも達成できる利回りだが、両者が余裕資金をすべてこの案件に投じたとしたら庶民のリターンは年間25万円で富裕層のリターンは475万円ということになる。
利回りに貧富の差はないが、投じる元本が違うのでこれだけの結果の違いが出る。
お金持ちだからちょっと贅沢したり、セキュリティのために家賃の高い住居に住んだりして生活費に庶民の4倍の2,000万円をかけたとしても余裕資金8,000万円を同じ商品に投じて400万円のリターンを獲得できることになる。
しかし、目端の利く富裕層は得てしてそんな単純なことはしない
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ローリスクの投資は一部だけにして、残りの資金をもっとリスクの高い案件に投じる。高いリスクをとればそれに見合った高いリターンを狙うことができる。
例えば株式投資などがそのレベルに当たるといえる。
もちろん庶民が株式投資をやっても良い。株式市場のような相場の世界には常に勝ち続ける敏腕トレーダーのような人もいるが、そんな特殊な才能をもった人は全体から見ればごくごくわずか、割合にすると数パーセントというところだろう。
大部分の人はあるときは利益を出したり、別のときは損失が出たり、という状態なのである。
株式市場の騰落も庶民と富裕層を差別しない
この場合は自分の買った株式が下がったときに大きな違いが出てくる。
現物取引の場合、持ち株が下がればいわゆる「塩漬け」という状態になる。損失を覚悟で売却しない限り、資金が寝てしまうのである。
資金の乏しい庶民がこの塩漬け状態でできる対策は少ない。ほとんどの場合、そのままじっと上昇して利益が出るまで待ち続けるしかない。
そうこうしているうちに生活費が足りなくなったり、何か急な出費でお金が必要になったりすると、やむを得ず損失覚悟で売却しなければならなくなるケースもある。
余裕資金の多い富裕層は塩漬けのままじっくり待っても生活資金などに困るようなことにはなかなかならない。
あるいは持ち株が下がったときに安くなった株価で買い増して取得単価を下げることも可能だろう(ナンピン買い)。買値を下げることができるので自分の買値まで株価が回復する確率も高くなる。
富裕層は勝ち続けなくても待つ余力がある
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要は余裕資金のある富裕層は勝ち続ける才能がなくても利益が出るまで待つ余力があるから最後には利益を出せる可能性が高いのだ。
かつては株式取引をやっていたがすでに退場してしまった庶民は多い。これはある意味、カジノや鉄火場にも似ている。
資金に余裕のある人は博打を続けるのも止めるのも自由に選択できるが、すってんてんになってしまった人は止めるより他に方法がない。
仮に失くなっても生活に困らない資金があれば、もっとハイリスクハイリターンの投資にも挑戦できる。
例えば事業に出資するような投資は成功する確率が2割ぐらいでも、上手く採算に乗れば資金が数十倍になるのは珍しくない。
10の事業に500万円ずつ合計5,000万円出資したとして、8事業が潰れても2事業で10倍のリターンがあれば資金は1億円に増えるのである。
仮に成功した事業が上場でもしようものならリターンはもう一桁増えてもおかしくはない。こういう投資が庶民にはなかなか挑戦できないものであることは言うまでもないだろう。(執筆者:玉利 将彦)