長期的に外貨を保有しスワップポイントによる収益を狙う、FXスワップ運用。FX初心者だけでなく中上級者からも人気ですが、スワップ運用に向いているのはどの通貨なのでしょうか?
というのもFX各社が取扱う通貨ペアは多いところで54通貨ペア(ヒロセ通商)もあり、どの通貨でスワップ運用すれば良いのか…? と悩む人が少なくないのです。
そこで、スワップ運用で利用する通貨を決める上で大切な要素を分析し、イチオシの通貨をご紹介したいと思います。
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目次
FX初心者のスワップ運用におすすめの通貨
ご存知の通り、FXスワップ運用とはスワップポイントを狙ってコツコツと収益を上げる取引手法です。
2国間の金利差によってスワップ金利が生じ、金利の低い通貨に対し金利の高い通貨を買うことで獲得できるのがスワップポイントになります。
たとえば、低金利通貨である日本円に対し高金利通貨のトルコリラを買うと、1日につき115円(1万通貨ごと)のスワップポイントが付与されます。(ヒロセ通商参照)
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長期間高金利通貨を保有するのが基本スタイルのスワップ運用ですが、狙いたいのはもちろん高金利通貨です。
スワップ運用の基本は高金利通貨を狙うこと
先に一例を挙げてみましたが、スワップ運用はスワップポイントを日々積み上げていく取引手法ですから、トルコリラのような高金利通貨を狙って運用するのが基本になります。
トルコリラもそうですが、さらに代表的な高金利通貨といえばどんな通貨があるでしょうか?
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群を抜いて高金利なのは、やはりトルコリラ。政策金利ベースで7.50%となっており、続くのは南アフリカランドの7.00%です。
南アフリカランド:7.00%
中国:4.35%
メキシコ:4.25%
ニュージーランド:2.25%
豪州:1.75%
(※2016年6月末時点)
以上6通貨がとりわけ高金利で、スワップ運用で狙いたい通貨と言えるのではないでしょうか。ただし、高金利ならどの通貨でも良いというわけではありません。
高インフレ通貨は低インフレ通貨に対して下落する
外貨運用の基本として覚えておきたい点ですが、長期的に見ると高インフレ通貨は低インフレ通貨に対してたいてい下落します。
逆を言えば、低インフレ通貨は高インフレ通貨に対して上昇する傾向にあるということです。
なぜそう言えるのかという話になると、奥の深い話でして。専門用語で言うと「購買力平価説」が関係してくるのですが、ここでは割愛したいと思います。
ただし、長期的に高インフレ通貨は低インフレ通貨に対して下落する、という外貨運用の基本をしっかり頭に入れておいて下さい。
なぜ「購買力平価説」の話が関係してくるかというと、スワップ運用で狙ってみたい高金利通貨のほとんどが高インフレだからです。高インフレということは、長期的にみれば通貨レートが下落する可能性が高いことになります。
たとえば、代表的な高金利通貨としてトルコリラを挙げましたが、トルコ経済は高インフレが継続しており、景気回復を目指しつつ高インフレを抑えることに躍起になっています。
もし、今の高インフレが継続するなら、長期的にみればトルコリラレートは低インフレ通貨に対しさらに下落する可能性が高いのです。低インフレ通貨・・・そう、日本円は正に低インフレ通貨ですね。
トルコリラ/日本円レートは、現時点で1リラ約35円となっていますが、今後30円を目指す可能性が無きにしも非ずといったところでしょうか。どうなるかは分かりませんが、高インフレが続くなら通貨安の恐れがあるということです。
通貨安になるということは、買ったトルコリラの価値が安くなるということです。仮に1リラ35円のときに1万リラ買ったとします。35万円分のトルコリラを買ったことになりますが、もし1リラ30円まで下落したならば5万円の損失になります。
一方でスワップポイントによる収益は如何でしょうか。1万リラを365日間継続したとすると、スワップポイント115円(1日、1万通貨ごと)ですから1年後に受取れるスワップポイントは4万1975円です。
為替差損が5万円でていますから、スワップポイントでの収益を差し引いても約8,000円の損をすることになってしまいます。
これはあくまでも卓上の計算でして、トルコリラが30円/1リラに向かう根拠は何もありません。ただ、高インフレ通貨はこのようなリスクがあるので、必ずしも高金利通貨を狙うだけがスワップ運用の極意ではないということです。
メジャー通貨から運用通貨を選ぶ
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高インフレ通貨には一定のリスクが存在することを考えると、メジャー通貨の中からスワップ運用で利用する通貨を選ぶのが、少なくともFX初心者には手堅い選択と言えそうです。
一般的に言われているメジャー通貨は7通貨で、
ユーロ
英ポンド
カナダドル
スイスフラン
豪ドル
日本円
以上の7通貨になります。
これら通貨のほとんどが低インフレ通貨ですから、将来的な通貨暴落危機は相対的に低い通貨です。ただし、ユーロはや英ポンドは英国EU離脱の影響もあり、今後も不安定な動きをする可能性が高く、他通貨もそれほどスワップ金利が高くないので収益を上げるには根気が必要な通貨ばかりです。
それをふまえると、メジャー通貨の中で唯一スワップ運用に適している通貨は…
…この通貨に限ると思います。比較的安定したメジャー通貨であり、今後の利下げ予測はあるものの、それでもメジャー通貨の中では一番金利の高い通貨です。
実際、日本のFX投資家の多くは豪ドルでスワップ運用をしているというデータがあります。世界に目を向けると、豪ドルを長期保有するというのはかなりマイナーな取引手法なのですが。
今回の結論は、手堅く豪ドルでスワップ運用。これでしめたいと思います。
FX初心者のスワップ運用におすすめの通貨 まとめ
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スワップ運用をするなら高金利通貨であるトルコリラ、人民元、南アフリカランドなどを狙いたいところですが、高インフレ通貨リスクを考えるとメジャー通貨の中の高金利通貨を狙うほうが手堅いというのが結論です。
そこでオススメしたいのは、豪ドル。豪ドルを低金利通貨に対して売るスワップ運用で一旗揚げてみるのは如何でしょうか。
もちろん、スワップ運用に慣れてきたらトルコリラなどの高金利通貨を運用するのも非常に面白いですが。
それでは、また。
(執筆者:堀 聖人)