オーストラリアではボランティア活動が盛んで、病院や教会に限らず、学校でも親によるボランティアでさまざまなことが成り立っています。
子供の習い事も同様で、親のボランティアが活動を支えている部分も決して小さくありません。そんなオーストラリアの代表的ともいえる食事サービスのボランティア「ミールズオンウィールズ」を体験してきました。
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目次
ミールズオンウィールズとは
「Meals On Wheels」とは、食事を作れない人々に宅配するサービスのことです。オーストラリア全国で行われているのですが、調べてみると元々はイギリスではじまったサービスが、オーストラリア、アメリカ、カナダと主に英語圏で広がっているようです。
利用者はほとんどが高齢者なわけですが、必ずしも高齢者である必要はないようです。突然の事故で食事を作れなくなってしまった人など正当な理由があれば、基本的に誰でも申請することは可能だということです。
住まいの地域に必ずミールズオンウィールズの施設があり、そこから配達される仕組みです。
地域によって、どのように成り立っているかは違っていて、キッチンが完備してあるところではシェフが温かいご飯を作っていますが、キッチンがないところもあり、その場合は冷凍のご飯を配達しているようです。予算や利用者の数などによって違ってくるようです。
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意外に高い利用費
政府の資金援助によって成り立っているミールズオンウィールズですが、意外に高くてびっくりしたのが、利用費です。
・ メインミール
・ オレンジジュース
・ デザート
これらで、7A$(オーストラリアドル)50セント、日本円にして600円というところでしょうか。600円もあれば日本ではお弁当屋さんに行けば、十分なお弁当が買えるので、高く感じると思います。
オーストラリアの外食費は高め…
外食費の高いオーストラリアでは、7A$ではフードコートで昼ご飯を食べるのも難しいかもしれません。レストランでは7A$だとデザートだけしか食べれないでしょう。回転ずしにすると、カッパ巻きや鉄火巻きを二皿です。
余談ですが…
きちんとデザートがついてくるのもオーストラリアらしいと思いました。老人ホームでも夜ご飯のメニューには必ずデザートがつきました。病院食でも必ずデザートがついてきます。そして、そのデザートを楽しみにしている人って意外に多いのです。
配達はボランティア
ミールズオンウィールズは毎日1回の配達で週末分は冷凍して届けているようです。
したがって毎日お昼どきにボランティアの人たちが集まって宅配をします。だいたい温かい食事を希望した人はお昼にそのまま食べる人が多いようで、冷たくしたものを希望している人は夜に温めなおして食べることが多いようです。
宅配は月曜日から金曜日まで
週末分は木曜日か金曜日に冷凍したものを宅配するようになっています。ボランティアの人は月に1回、2回と自分のペースで行っているようで、女性が多いようですが、男性の方もいらっしゃいました。
若い人というよりは、子育てが終わって、時間にも暮らしにも余裕のある世代の人が積極的に参加されている印象でした。
キッチンを手伝うというボランティアもあるようですが、私が経験したのは宅配のボランティア。自分の車に食事を積み込みます。オーダーのあったお宅の住所と名前、オーダーされた食事の数とタイプ(温かいのか冷たいのか)が明記されているファイルを元に宅配します。
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利用者について
私が担当した地区は8組で、普段より少し少ないということでした。ほとんどがお年寄りで、夫婦で住む人もいれば、独りの人もいました。高齢者がこれだけ自立して暮らしているんだと改めて感心しました。体は思うように動かないのかもしれませんが、皆さん元気そうです。
94歳の男性
奥様はパーキンソン病を患っておられるということで、近くの老人ホームに入居しておられるということでした。しっかり話される方で、私が日本人ということがわかると、インドネシアで日本兵と戦った話をされるなど、とても活発なかたでした。
ウォーキングフレームで一人暮らしをしている女性
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毎週木曜日に息子さんが庭の手入れに来るということで、その日もキレイに庭が手入れされていました。
ネックレスのようなものを首から下げていたのですが、それは自宅にいるときにボタンを押すと救急車が来ることになっているようです。電話機のようなものが備え付けられていて、自宅でのみ作用するというものらしく、転んだ時、息苦しかった時など3回利用したそうです。
家にカギかかかっていても暗証番号で開ける小さなロックにカギが入れてあるということで、家を壊さずに入ってこれるというわけです。
体験して感じたこと…
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ボランティアが盛んなオーストラリアですが、その代表的なミールズオンウィールズ。小さな施設で行われているにもかかわらず、関わっている
ボランティアの人の数は意外に多いので、誰も無理することなく続けられるのかもしれません。(執筆者:松下 歩)