8月20日の朝日新聞に載った「制服の値段の謎~なぜ大差? どう設定?」の記事。
という声も少なくありません。
特にこの時期の子どもは体が大きく成長するため、買い替えが必要になるケースも多く、その負担は更に家計を圧迫します。そんな「困った!」を解決するために行なわれている、制服購入の負担を減らす取り組みをご紹介します。
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目次
朝日新聞が調べた制服の価格
朝日新聞がSNSなどを通じて行なった調査では、公立中学校111校の購入価格が3万円から7万円までと、最大で2倍を超える格差があることが分かりました。
保護者からの情報提供をもとに調べた結果
・ 最高値
女子ブレザー… 宮城県仙台市 7万7,360円(冬・夏服シャツ4着込み)
男子ブレザー… 神奈川横須賀市 6万7,403円(冬・夏服シャツ4着込み)
・ 最安値
女子ブレザー… 長野県諏訪郡 3万6,200円
男子詰め襟… 兵庫県西宮市 3万890円(指定のセーター込み)
となっていて、同じ義務教育である中学校でも、制服代に大きな格差があることが分かりました。
家計に大きな負担となっている
体操服やジャージ、上靴などの指定品を購入するだけで10万円を超える中学校もあり、「家計に大きな負担となっている」と感じている保護者が少なくありません。
「中学生は成長期なんだから、小学校6年に買った服がそのまま着れるわけない!」
サイズが小さくなって着られなくなり、制服を買い替えたというご家庭は、特に男子の場合に多く見られます。
授業料はかからないとは言え、高校受験に向けて塾に行っていたり、部活動の道具などにお金がかかったりすることも少なくありません。
兄弟姉妹がいる場合は倍の出費になり、家計への圧迫はかなりなものとなっているのが現状です。
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学生服のリユース~福岡での取り組み
福岡市内の中学校ではPTAが中心となって、制服を融通しあう取り組みが行なわれています。
入学説明会、バザー、合唱コンクールなど、制服の購入時期前に行なわれる行事で、「お譲り会」などの機会を設けているそうです。
学校を通じてプリントを配布し、小さくなった制服、体操服、ジャージ、コートなどを集め、「お譲り会」に出品。新入生だけでなく、
という人にも人気があります。
著しい成長が見られる時期だからこそ、必要な取り組みであると言っていいでしょう。
教育委員会が制服のリユース
また福岡県古賀市では、教育委員会が制服のリユースを行っています。
不要になった市立中学校の制服、また近郊の高等学校の制服を預かり、必要な人に譲っていくというシステムです。
思い出の詰まった制服。「捨てるのは、ちょっと…」と感じていても、「誰かのためになるのなら譲ってもいい」と思える人が多いのも事実。制服のリユースは、全国的に広げていく必要性がある取り組みと言えるのではないでしょうか。
学生服リユースShop さくらや
こちらは保育園や幼稚園、小・中学校、高校に至るまで、不要になった制服や体操服、小物といった物の買い取りと販売を行なうお店です。
店頭での査定、買い取り
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ネームの刺繍取りや補修
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洗濯やクリーニング
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店頭での販売
このお店の特徴は、地域への貢献度が非常に大きいこと。
・ 洗濯は地元の障がい者施設に委託
・ 刺繍取りは地域の高齢者の方にお願いする
など、出来るだけ多くの人達が活躍出来るような場を広げる取り組みを行なっています。
また不要になった制服等をさくらやに持参した子ども達自身が、その金額を災害地域のための寄付に回したり、卒業する時、学校に記念品を贈るために使ったりと、地域の子どもにも良い影響を与えています。
「誰かのために出来ること」を、地域全体で考えられるような仕組みになっているとこが素敵ですよね。
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男子はズボン、女子はスカート…の時代はもう終わり?
現在は殆どの学校で男子はズボン、女子はスカートという制服スタイルになっていますが、これもそろそろ見直すべき時が来ていると言えるかも知れません。
今までは見過ごされて来たことですが、子ども達の中にはトランスジェンダーの子もいます。
実際に近所にある中学校では、新入生の女子にトランスジェンダーの生徒がいて、学校側や教育委員会側と何か月か交渉した結果、男子の制服での登校が認められました。非常に勇気ある行動だと言えますが、ここまで出来る生徒・保護者はなかなかいません。
せめてスカートは廃止し、男女とも同じ制服で統一するか、ズボンかスカートどちらかを選択出来るシステムにすべきなのではないでしょうか。
そういった面にも目を向ける時代になっていることを、私達大人ひとりひとりがもっと早く自覚し、古いルールを変えていけるようにしなくてはいけません。
物を大切にする心を育む時代へ
思い出がたくさん詰まった制服。
捨てたくはないけれど、取っておいても仕方ない…というのが本当のところ。
それならば「必要としている誰かのために役立たせる」取り組みに参加してみませんか?
お住まいの地域にそういった取り組みが行なわれていなければ、学校やPTAなどに提案してみるのもいいでしょう。そのひと言で多くの人の「困った」を解決するきっかけになるかも知れません。
「使い捨て」が当たり前だった社会を卒業し、「物を大切にする心」を育み広げる時代に変えていくことが必要です。(執筆者:藤 なつき)