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「節約しなくちゃ、貯金しなくちゃ!」
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そう思っている方はたくさんいますが、案外「何のために?」と聞くと明確な答えが返ってこないことも多いものです。
「なんとなく老後が心配だし……」
といった漠然とした不安から、お金を貯めたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その「漠然とした不安」を紐解くことによって、もっと効率的にお金を貯めることができます。
今回は代表的な3つの「不安」をピックアップして、どう解決していくのが良いのかを考えてみましょう。
不安1 老後
国の年金制度については「もらえる額が減る」、「もらえる時期が後ろ倒しになる」など、ネガティブなニュースが後を絶ちません。
「なんとなく老後が不安」という気持ちになるのも無理からぬことでしょう。
というのは堅実な生き方ではありますが、今お金を惜しんだがために、親族や友人との交流の機会が極端に減ってしまったり、学ぶ機会を失ったりするのは、場合によっては良い選択とはいえません。
「あなたの望む未来」に近いのは?
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B. 若い時に自分に投資をしてスキルを磨き、定年退職後もそのスキルを使ってお金を稼ぎ続けるの。
どちらが良いというわけではなく、「あなたが望む未来」の形に合わせて、貯蓄するべき額や方法も変えていかなければなりません。
前者であればしっかりとお金を貯めておく必要がありますが、後者であれば、ある程度の額を「今の自分に投資」する必要があるでしょう。
「老後が不安でなんとなく貯金している」という方
一度しっかり、自分は
・ 誰と
・ 何をしながら老後を過ごしたいのか
を考えてみましょう。
理想の老後に必要な額がわかれば、「いつまでにどのくらい貯めればいいのか」を明確にできます。額が明確になれば、漠然とした不安で必要以上の節約をする必要もなくなりますよ。
老後資金を貯めるときの味方
老後資金を貯めるときに、一番の味方になるのは「時間」です。できるだけ早い時期から、許容できるリスクの範囲内で運用をし、資産形成に役立てましょう。
長い期間運用した方が、利益も上がることが多いですしリスクも減らせます。
老後資金を貯めるには
・ 投資信託
・ 個人年金保険
・ 今注目を集めている、個人型確定拠出年金(iDeCo)
など、さまざまな方法があります。目的にあわせて資産の運用方法を検討しましょう。
将来の生活に向き合い、必要な額や貯蓄方法について考えるというのは、手間も時間もかかるため「めんどうだ」と感じる方も多いでしょう。
けれども、老後資金は「早めに計画的に」お金を貯めた方が、お得になることが多いものです。
「不安だからとりあえず貯金をしておく」のではなく、必要な額をみすえて計画的に貯蓄を進めていくことが大切です。
不安2 教育費
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子どもがいる家庭では、教育費の問題も大きいと思います。子どもがどんな未来を選ぶかは、不確定要素が多いため、なかなか予測しにくいというのが現実です。
そのため貯金を始めるときは、親が
という目標を決めてしまうと良いと思います。
例えば、「幼稚園から大学まで全て公立だった場合のお金を用意する」と決めてしまえば、ある程度、いつまでにいくら必要かという見通しが立ちます。
教育費は、子どもが生まれたあとであれば、「お金が必要になる時期」がほぼ決まります。大学進学時や高校入試時など、まとまったお金が必要になりそうな時期に向けて、計画的にお金を貯めていきましょう。
保険
一昔前は学資保険を使って貯める方も多かったのですが、今は軒並み返戻率が低くなっています。
保険という形で貯蓄をしたいのであれば、学資保険ではなく返戻率の良い終身保険を探して利用するという方法もありますので、あわせて検討してみると良いかもしれませんね。
教育費はライフスタイルで変化します
教育費については、進学する学校にかかるお金だけでなく、受験時の塾代なども見込んで貯蓄額を決めておくことが大切です。
また子どもの進学状況やライフスタイルの変化に合わせて、定期的に貯蓄方法の見直しをするようにしましょう。
不安3 病気などで働けなくなる
病気などの突発的な事態に備えて、ある程度の額を手元に残しておくというのは、リスクヘッジとしてとても有用です。
一般的には、手取り月収の6か月分程度を用意しておくのが良いといわれています。
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医療保険を利用
6か月分の貯蓄が貯まるまでは、掛け捨ての医療保険を利用するのも良いでしょう。インターネット完結型の保険なら、1,000円前後でシンプルな医療保険に加入できます。
長期的に働けなくなる場合が不安ということであれば、働けなくなったときに生活をサポートしてくれる、就業不能保険というのもあります。
社会保険も賢く利用
ただし、日本では高額療養費制度(自己負担額が高額になった場合、一定の金額が払い戻される制度)や傷病手当金(会社員が病気やケガで働けない場合に支給されるお金)など、ある程度のサポート体制が整っています。
保険の加入を検討する場合は、それらの制度があることを理解して、過剰な保障内容にならないよう気をつけてくださいね。
「不安」を明確にして戦略的に貯金をしよう!
上述した「不安」の他にも、ご家庭の事情によって「親の介護」や「住宅購入費」といった「不安」がある場合もあるでしょう。
大切なのは、それらの「不安」を全部ひとまとめにして、「なんとなくいろいろ不安なので節約しよう」という状態のままにしないことです。
「不安」の理由を明らかにする
ひとつひとつ必要な額と時期がわかれば、「どうやって解決すれば良いか」という戦略も立てられます。
また、それらの「不安」に優先順位をつけることによって、
ということもわかります。
「不安」が明確になれば節約のストレスも軽減
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ということがハッキリしていれば、節約生活も続けやすくなりますし、「支出して良いお金の額」もわかるため、ストレスなくお金を使うことができます。
自分で全てを考えるのが難しければ、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して話を聞いてみるというのもおすすめです。
ただし、無料で相談できる窓口では、基本的には保険加入などを勧められることがほとんどですので、勧められた内容はきちんと吟味することをお忘れなく!(執筆者:青海 光)