私の夫は良くも悪くもおおざっぱな人間で、日々の貯蓄に関しても「銀行の残高がマイナスになってないなら何も問題ない」と思うタイプでした。
借金こそしませんが、有り金は景気よく使ってしまうので、結婚当初貯蓄はほぼゼロ。
結婚後も、「ケチケチして楽しみが奪われるのは嫌だ」となかなか財布の紐を引き締めてくれません。
そんな夫に節約に協力してもらうため、私が実践した5つのことをご紹介します。

目次
1. プロに家計をみてもらう
「このままでは家計があやうい」と口で何度言っても、「えっ、でも今赤字ってわけじゃないじゃん?」と返されてしまうので、現実を直視してもらうため、ファイナンシャルプランナーにライフプランを設計してもらうことにしました。
ライフプランでは、現在の貯蓄額や収入・支出から、今後の人生において、いつ家計が赤字になるか、老後の生活はどうなるのかなどを予測してもらうことができます。
「子どもは2人欲しいね!」と理想の未来予想図をお伝えし、ライフプランを設計して頂いたところ、第一子が大学に入学した時点で家計は大赤字、老後もマイナス収支という結果に…。
「今のままですと、金銭的に厳しい時期が来てしまう可能性があります」とファイナンシャルプランナーさんにおっしゃって頂けたことで、夫も「家計のあやうさ」がリアルになったようです。
真っ赤に染まったライフプランを見ながら、「貯蓄しなくちゃね」と呟いた夫を見て、プロに依頼をして良かったと心底思ったものです。
夫のタイプによっては、妻が口を酸っぱくして言うよりも、プロが具体的な数字を見せながら指摘した方が効果的な場合があります。
夫に家計破綻の危機感が足りない場合は、ファイナンシャルプランナーなど「家計のプロ」に相談をしてみるのもおすすめです。
2. 「節約して欲しいこと」は1か月に1つだけ伝える
節約ができるかどうかは習慣によるところも大きいため、いきなり夫に多方面で節制を強いるのは難しい場合があります。
そのため、「夫にお願いする節約項目は、1か月に1つだけ」と決めました。
「できるだけ短距離でタクシーを使うのは控えて欲しい」、「TVやライトをつけっぱなしで寝るのはやめて欲しい」といった希望を一度に言うのではなく、1か月に1つずつお願いします。
他の部分の浪費が気になっても、その月にお願いしていることだけを口にするようにしました。
1か月に1つだけしか言わないと決めているので、「あれもこれもどうして浪費するの!」とケンカ腰にならずに済みますし、夫の方も「1つだけなら」と節約に取り組みやすかったようです。
目についた浪費を片っ端から指摘したくなりますが、そこはぐっとこらえましょう。
時間は少々かかりますが、夫の負担感が少ないように、焦らず長期戦でのぞむのがポイントです。
3. 「好きなもの」は締め付けすぎない

夫は車が大好きで、古い中古車を自分好みに整備しながら乗っています。
正直なことを言えば、都心で車は必ずしも必要ではないですし、駐車料金は高いし、メンテナンス費やガソリン代もばかになりません。
私たちの世帯年収から考えると、車にかかっているお金は明らかに「使い過ぎ」です。
けれど、夫の唯一と言ってもいい趣味ですし、「車をもっと整備したいからしっかり働く」と仕事のモチベーションにもつながっているようなので、車に関するお金は、家計からやりくりして確保することにしました。
節約は大切ですが、楽しみを削減し過ぎてしまっては元も子もありません。
「〇〇のためなら、他の部分で節約してもかまわない」
と夫が思えるのであれば、その楽しみについては、できる限り予算を確保してあげると良いのではないでしょうか。
4. 誕生日や記念日のプレゼントは買わない
誕生日や記念日などに、「特別な日だから」とプレゼントを贈りあうのは止めました。
その代わり、時期にこだわらず、少し値が張る何かが欲しくなったときは、「これを誕生日プレゼントということにします」とお互いに了承を得てから購入することに。
誕生日が近いからといって欲しいものがあるとも限らず、不必要なものを贈りあうのももったいないので、少々ロマンチックさには欠けますが、このスタイルにして良かったと思っています。
夫も1年に1回好きなときに、欲しい車のパーツを堂々と買えるので喜んでいるようです。
5. 定期的に報告会議をする
わが家では私が主に家計管理をしているので、1か月に1回は夫に家計状況の報告をしています。
銀行口座の残高、カードの引き落とし額、投資信託の状況などを、ごく簡単にエクセルにまとめたものを、夫に見てもらうようにしています。
それを見ながら、「どうしてカードの引き落とし額が今月は多いのか」といったことを確認し合い、改善できそうな点があればお互いに話し合います。
夫はお金の細かい話をされるのがあまり好きではありませんでしたが、月に1回、5~10分程度の報告なので、渋々ではありつつも耳を傾けてくれました。
「先月は節約がうまくいったので、貯蓄額が増えました」、「投資信託で利益が出始めました」といった話を続けるうちに、夫も家計管理に少しずつ興味を持ってくれるようになりました。
「1人でせっせと節約をしている」状態から、「2人で家計について考えられている」状態にまで、徐々に変わっていくことができた一因は、地道にこの報告会議を続けたことにもあったのかなと感じています。
自分も夫もすぐには変われない。焦らずに取り組もう!

振り返ってみれば、自分自身も「節約できる体質」になるまでに、ずいぶんと時間がかかりました。
「意識しなくても目標額が貯まる」状態になったのは、節約を心がけるようになってから半年から1年ほどもたったころだったでしょうか。
それを考えれば、夫が節約に協力してくれるようになるまで、多少の時間がかかるのも無理からぬことです。
「どうして節約に協力してくれないの!」といらだち、夫の財布をしめつけ過ぎるよりも、できるところから少しずつ始めて、「ありがとう、あなたの協力のおかげで今月はこれくらい貯蓄ができたよ」とプラスの声がけをしていく方が、長期的には良い効果が得られるはずです。
「節約も、夫の意識改革も、一日にしてならず」と思い、焦らず気長に、そして夫婦仲良く、節約生活に取り組んでみてくださいね。(執筆者:青海 光)