保険に加入し、毎月保険料を払い続ける目的は、いざというとき給付金や保険金を受け取るためです。いざというときは、いつどんな状況で訪れるかわかりません。
・ 葬儀代を立て替えなければならない状況
そういった緊急事態に備えて、保険請求の流れについて確認しておきましょう。
目次
給付金請求の流れ

保険会社へ連絡し、請求書類を取り寄せる
入院や手術の予定が決まった時点で、まずは加入している保険会社に連絡をし、請求書類を送ってもらいましょう。
連絡先は、給付金請求専用窓口や、担当の営業社員、担当代理店など、いずれでも問題ありません。連絡する際は、保険証券を手元に置いておくことで契約照会がスムーズに進みます。
今は、インターネットでも請求書類を取り寄せることができる会社がほとんどです。
連絡するタイミング
退院後でも構わないのですが、保険会社所定の診断書が必要となりますので、退院と同時に受け取れるように先に準備しておくとスムーズに進めることができます。
死亡保険金については、被保険者が実際に亡くなってから連絡を入れましょう。
必要な書類を揃える
一般的な保険請求には、以下の書類が必要となります。
入院・手術などの給付金の場合
・ 医師の診断書(保険会社所定のもの)
・ 請求用紙(振込先などを書く用紙)
・ 本人確認書類のコピー(受取人・被保険者とも)
・ (ケガによる入院・手術の場合のみ)事故の状況などを記入する用紙
死亡保険金の場合
・ 死亡診断書
・ 請求用紙(振込先などを書く用紙)
・ 被保険者の除籍謄本
・ 受取人の戸籍謄(抄)本・印鑑証明書
・ (ケガによる死亡の場合のみ)事故の状況などを記入する用紙
・ 保険証券
なお、医師の診断書の取得には3,000円~1万円ほど実費がかかります。そのため、請求金額が少ない場合などには、診断書の代わりに領収書や退院証明書の提出が認められることがあります。
保険会社や保険商品、そして請求内容によっても必要書類は異なりますので、問い合わせ時にしっかり確認しておきましょう。
必要な書類がそろったら、同封されていた返信用封筒に入れて保険会社へ提出します。

請求してから支払われるまでの期間
書類が保険会社に到着してから審査が行われます。
支払われるまでの日数は、
と、約款に定められています。
近年は、各社迅速な支払を徹底していますので、平均はもっと短いと思います。もしも振込みまでに5営業日以上かかった場合は、給付金・保険金に加えて遅延利息が支払われます。
ただし、以下の場合は5営業日以内に振り込まれない可能性があります。
必要書類に不足があった場合
不備書類についての連絡が保険会社から入りますので、書類を追加で郵送しましょう。そろい次第振込みの手続きが行われます。
提出した書類だけで審査ができない場合
保険会社所定の診断書に不足なく医師が記入すれば、ほとんどの場合支払可否および支払金額の決定をすることができます。
しかし、情報に不足がある場合や、告知義務違反などが疑われ詳しく調査する必要がある場合、支払いまでに時間を要することがあります。
その他請求に際して知っておきたいこと

入院中に請求することもできる
入院が長引く場合など、入院中に給付金を受け取りたいこともあるでしょう。その場合は診断書を入院途中で一度書いてもらい、給付金を分けて請求することも可能です。
ただし、残りの給付金を請求する際は、再度診断書を取得しなければなりません。診断書取得費用が二重にかかることに注意しましょう。
3年以内ならさかのぼって請求できる
給付金・保険金請求を忘れてしまっていても、3年以内なら過去にさかのぼって請求することができます。気付いたら早めに保険会社に連絡をとり、必要書類を送りましょう。
請求漏れのないように自分の契約内容を把握しておく
例えば、
・ 対象となる手術を把握していないために、手術給付金の請求が漏れていた
などといったケースがあります。
「保険金不払い問題」が騒がれてから、保険会社各社も請求漏れがないよう厳しいチェックを行っていますが、やはりご自身で契約内容をしっかり確認しておくことが大切です。
「これは請求できるのかな?」と、少しでも疑問に思ったら、保険会社や担当代理店に問い合わせし、尋ねてみることをおすすめします。
わからないことは保険会社に確認しよう
保険請求の流れについて、おわかりいただけたでしょうか。請求手続きは、大変な状況の中行わなければならないので、事前に把握しておくことで少しでも不安を軽減しましょう。
書類の書き方や提出書類など、わからないことはなんでも保険会社に問い合わせして確認してくださいね。(執筆者:近藤 あやこ)