資産運用で重要な観点は、インカムとキャピタルのバランスを考えることです。
インカム・ゲインとは配当収入、キャピタル・ゲインとは上値上昇益のことを表します。
特に、投資初心者はインカム重視の視点を持つことが重要です。
インカムに主眼を置いた投資では、配当が値下がり時の損失をカバーする役割を担ってくれます。
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今号では、今からでも配当を獲得できる12月のおすすめ高配当銘柄を3つほど紹介させていただければと思います。
目次
日本が誇る継続増配銘柄、キヤノン
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米国とは異なり、日本の主力企業が増配、あるいは配当維持を行うケースは非常に希有。
そんな中、株主還元に非常に力を入れている企業がキヤノン(7751)です。
同社は、実に29年に渡り配当の維持と増配を行ってきました。
つまり、この間一度も減配を行っていない訳です。直近の利回りは3.73%と、他の上場企業と比べても非常に優秀。
さらに、業績も改善傾向で、10月末時点で17年12月機の業績を上方修正。格付け機関からの評価も高く、初心者でも安心して投資できる銘柄のひとつでしょう。
営業利益率が抜群の優秀企業、JT
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「愛煙家が減り、たばこビジネスは儲からない」そんなイメージをお持ちの方も多いでしょう。
実は、たばこ産業は利益率が高く、非常に「儲かる」産業なのです。
JT(2914)は、愛煙家が減ってもたばこを値上げすることで高水準の利益を維持してきました。
また、M&A巧者としても知られ、海外のたばこ関連企業を積極的に買収しています。
現在では、売上構成に占める約53%が海外たばこ事業。
売上、利益とも非常に底堅く推移しています。
直近の利回りは3.77%。株主優待で同社が販売するドリンク詰め合わせをもらえることも株主の特権です。
資源価格の安定が追い風、昭和シェル石油
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投資界のレジェンド、ウォーレン・バフェット氏の名言に、以下のようなものがあります。
「(事業を)理解できない会社には投資しない」例えば、いまはやりのAi関連やクラウド関連。投資家の人気は非常に高いものがありますが、どこまで正確にそのビジネスやビジョンを理解できているでしょうか。
バフェットの理論に乗っ取るのであれば、多くの人はこれらの銘柄を買うべきでないということになります。
一方で、昭和シェル石油(5002)であれば、多くの方々がそのビジネスを理解することができるでしょう。
同社の業績は資源価格の安定を受け、改善傾向。11月時点で今期の経常利益予想を32%も上方修正してきています。
直近の配当利回りは2.59%。信用倍率を見ても1.1倍程で、需給面からくる不安もそれほどないと言えるでしょう。
以上、初心者でも購入しやすい3銘柄をご紹介させていただきました。
上述した銘柄の権利付き最終は12月26日の火曜日です。ここからの押し目は丹念に拾って行きたいところですね。(執筆者:徳田 陽太)