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もらってうれしい「お年玉」は誰のふところに?
クリスマスにお正月、年末年始はプレゼントやお年玉をもらえるとあって子どもたちはウキウキする季節ですね。
大人はというと、年末年始は忘年会や新年会、お歳暮や年賀状などただでさえ出費が多いのに、さらに出費の重なる季節とも言えるでしょうか。
さて、お正月と言えば「お年玉」、子どもがお年玉をもらったら、そのお金はどうしていますか?
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子どもがすぐに好きなものを好きなだけ買ってしまうというのは現状で少なくて、やっぱり貯金という家庭が多いかもしれません。
子ども自身がタンス預金ならぬ自宅の貯金箱で保管ということもあるでしょうが、子ども名義の通帳に入れることもありますね。
でもちょっと待ってください!
税法上は子ども名義の口座は口座管理者のものと判断される
子どもの通帳にしっかり入れてあげたと親子ともに満足しているかもしれませんが、それは「親が預かっておく」と言って、親の財布にそのまま入れてしまう行為と同じになるかもしれません。
というのも、子ども名義の貯金口座は、税法上は実際にその口座を管理している親のものとして取り扱われます。
あまり問題になることはありませんが、離婚した場合や金額が大きい場合などは贈与税にも絡んできますし、もしものときの相続税の計算において、このような預金の取り扱いが問題となることもあります。
本当に子どもの財産として計上するためには、最低でも通帳と印かんを子ども自身が自由に持ち出せる、もしくはキャッシュカードは子どもが管理し、子どもが自由に使える状態となっていなければなりません。
基本的には、誰かから誰かにお金を無償で手渡した場合には贈与
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お祝いなどで、基本的に個人から受ける金品は、社会通念上相当と認められるものについては、贈与税の課税対象となりません。
もちろん、親や祖父母が子どもにあげるお小遣いも通常は贈与となりませんが、金額によっては注意が必要です。
お年玉の金額が大きいと、贈与とみなされる場合もあります。
年間110万円を超えなければ贈与税はかかりませんが、お祝い事が重なった場合などでも注意が必要です。
出産祝い、節句などのお祝い、入園・入学のお祝いに加えて、子どもにとっては祖父母からの教育資金の援助や住宅資金の援助などもすべて含みます。
親が管理している子どもの通帳にお金が入れば、親への贈与となりますので(親族から子どもへの贈与、子どもから親への贈与)子どもの通帳に入ったお金と親自身がもらったお金を合わせて計算することになります。
お祝いごとが重なった場合は要注意
例えば、小学校入学と同時に家を買い、その頭金を子どもからみると祖父母に出してもらい、その上入学祝をもらい、小学生になるからとお年玉もはずんでもらった場合などは要注意でしょう。
ちょうど私立の小学校に入学してその入学金などの教育費を援助してもらったり、下の子が産まれて重ねて出産祝いももらったり、女の子であれば7歳の七五三のお祝いももらったという場合は当てはまる方も多いかもしれませんね。
これは周りであった話ですが、親や祖父母に車をもらってもらったという話を聞きましたが、扶養関係がない場合や扶養関係にあっても生活に必要な範囲を越えている場合、そこに贈与税が発生する可能性もありますのでご注意ください。(執筆者:小柳 結生)