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「上皮内新生物」をご存じですか
がん保険に加入している方、加入を検討している方なら、「上皮内新生物(じょうひないしんせいぶつ)」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
その病気について詳しく知っていますか?
上皮内新生物についての理解を深め、がん保険で備えるべきなのか、考えてみましょう。
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3つの新生物
「良性新生物」
「上皮内新生物」
日本人の死因第1位として知られる「がん」という病気は、正式には「悪性新生物」と言います。新生物とは、いわゆる腫瘍のことです。
悪性新生物とは
悪性新生物には、以下の3つの特徴があります。
・自立性増殖:増殖を続け、止まることがない。
・浸潤と転移:周囲に滲み出るように、病巣を広げていき(浸潤)、リンパを通じて体のあちこちに飛び火する(転移)。
・悪液質:他の正常組織が摂取しようとする栄養を奪い、体を衰弱させる。
これらの特徴があるために、がんが人を死に至らしめることが多いのです。
また、手術で取り除いた後も、抗がん剤や放射線を用いて徹底的にがん細胞を叩きのめす必要があるのです。
良性新生物とは
「良性新生物」という病気もあります。
胃や大腸の良性ポリープ、脂肪腫といった病気が、良性新生物に分類されます。
上皮内新生物とは
この悪性新生物と良性新生物の中間的な存在とも言えるのが上皮内新生物です。
上皮内新生物そのものは「悪性」なのですが、悪性新生物のような特徴を持ちません。
臓器などの粘膜は、表面から
・ 基底膜
・ 粘膜固有層
・ 粘膜筋板
・ 粘膜下層
といった組織で構成されています。上皮内新生物は、このうちの上皮内にとどまっている状態を指します。
そのため、上皮内新生物には、
・ 自立性増殖
・ 浸潤と転移
・ 悪液質
といった特徴がありません。
裏を返せば、死に至る危険性は極めて低い病気だと言えます。手術で取り除いてしまえば、再発や転移を恐れる必要があまりないのです。
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よくある上皮内新生物の例
・大腸の粘膜内がん(上皮内がん)
・胃の上皮内がん(0期)
・子宮頸部がん0期、子宮頚部高度異形性
・乳腺の非浸潤性乳管がん
・皮膚のボーエン病
がん保険と上皮内新生物
古いがん保険では、上皮内新生物と悪性新生物を完全に別の病気とみなし、上皮内新生物は対象外とする対応を行っていました。
がん保険は、浸潤や転移を繰り返し、人の体をじわじわと蝕む「悪性新生物」の長く続く治療のために作られているからです。
しかし、「がんです」と宣告された患者さんは、がん保険から当然給付金がおりるものだと思います。対象外だという結果に納得できないというケースも多々ありました。
そこで生まれたのが、「上皮内新生物特約」や、上皮内新生物も保障対象とするがん保険だったのです。
保障は必要か?
上皮内新生物もがんと同じように扱う(診断給付金や入院給付金を支払う)保険は、当然給付を受ける人の割合が高いので、給付金支払いに備えておくお金が多く必要です。
このお金の財源は契約者が納める保険料ですから、保険料は必然的に高くなります。
しかし、上皮内新生物の治療は、良性新生物の場合とあまり変わりなく、日帰りの手術で済むことも多いです。
治療費は莫大にはならない
がん(悪性新生物)のように、術前・術後に何ヶ月も放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン療法を受ける必要がありませんから、治療費が莫大になる心配もさほどありません。
これらのことを踏まえると、がん保険は、
ではないかと思います。
保険の本来の役割から考えても、上皮内新生物は、備えておくべき大きな経済リスクにならない可能性が高いと言えます。
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御守り代わりに加入するのも手
ただし、たとえ上皮内新生物であっても、やはり医師からがんだと言われる精神的なショックは大きいでしょう。
そのようなとき、がん保険があれば、精神的安心を与えてくれます。
こうした安心を得るためだと思えば、備えておく価値があるという見方もできます。
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上皮内新生物とがん保険まとめ
上皮内新生物という病気があること、悪性新生物とは異なることは知っておくべきでしょう。
・上皮内新生物もがん(悪性新生物)と同額の保障をするがん保険
・上皮内新生物はがん(悪性新生物)の場合の一部割合の金額の保障をするがん保険
・上皮内新生物はすべて対象外とするがん保険
がありますから、保険料や保障内容を比較し、どれが合理的で、自分にとって安心を得られるものなのか、よく検討してみてください。
また、医療保険なら上皮内新生物も対象ですから、医療保険で備えるのも一案です。
古いがん保険に加入している人
自分の保障に上皮内新生物が含まれているかどうか、見直しが必要かどうかもぜひ考えてみてください。(執筆者:近藤 あやこ)