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「公的年金」とは
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高齢や障害などで働けなくなった人たちや、大黒柱を失って生活に困っている人たちを、現役世代が払う保険料と税金で支える制度です。
「年金はあてにしていない」と言う現役世代の中にも、実は、すでにあてにして生きている人が多いのではないでしょうか。
そんな観点から、今回は、コラムというよりエッセイ的なテイストでお話しします。
親の年金がなかったら、今の私たちの生活は成り立たない
と言う人は多いですね。でも、本当にあてにしていないのでしょうか。
年金には、
・ 障害
・ 遺族
と3種類の給付があります。
老齢だけを考えても、私自身や周囲の人たちの生活を見ると、しっかりあてにしているし、まだ現役で働いているけど、間接的な意味では、既に年金制度の恩恵を受けています。
親に「公的年金がない」場合
私たち昭和30年代生まれの親は昭和一ケタ世代で、年金のない親を養っていました。
国民年金制度が施行されたのは昭和36年、厚生年金は先代の労働者年金保険法が昭和17年に制定されています。
国民年金が施行されたときすでに高齢だった人には「老齢福祉年金」が支給されましたが、扶養義務者(子どもなど)に一定の収入があると支給されませんでした。
また、年金を受給できたとしても金額は少なく、子どもが生活費を負担しなければなりませんでした。
つまり、私たちの親世代は、その親を養いながら保険料を負担してきたわけです。
親に「公的年金がある」場合
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私たち夫婦は、両親に生活費を仕送りしたことがありません。盆・暮れにお小遣いをわたす程度です。
夫婦と子供二人の生活だけを守っていればよいのは、両家の親が老齢厚生年金で暮らしているからです。
事業収入や不動産収入のないサラリーマンは、雇ってもらえなくなったら収入が途絶えます。
親に年金がなかったら、子どもが養っていかなければなりません。
どうしても養えない事情があれば、最終的には生活保護もあります。
親が自分で一生懸命働いて受給権を得た、使い道も自由な年金で暮らして孫たちに小遣いもくれる状況に、私は感謝しています。
「生涯独身」や「子を持たない選択」も、年金があるからこそ
近年では、生涯独身を貫く人や、子どもを持たない選択する人も増えています。それができるのは、年金制度が定着した時代だからだと思います。
年老いた親が年金で暮らしているから「子が親を養う」という概念が薄まり、
そのように私は解釈しています。
長生きで「おトク」
「老後は子どもに頼らず自己責任」ということで貯蓄をしていても、思ったより長生きしたら生活資金が足りなくなります。
一方、公的年金は死ぬまで受給できるセーフティーネットとなります。
金融に関する知識がゼロでも老後に備えられ、厚生年金は会社が半分負担してくれる、長生きするほどお得な制度だと思います。
年金制度の仕組み
公的年金は、税金と現役世代が払う保険料を財源に高齢世代に仕送りし、保険料を払うことで次の世代に支えてもらう権利を得る、順送りの「世代間扶養」の仕組みとなっています。
2017年度の国民年金保険料は月額1万6,490円です。
2017年9月以降の厚生年金保険料の本人負担額は標準報酬月額(給与等の平均)に応じて8,052円から5万6,730円で、厚生年金保険料には国民年金の分も含まれています。
親を直接養うとなれば、これだけの出費では収まりませんね。
現在の年金制度には、将来の現役世代の保険料負担が重くなりすぎないように、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて年金額を調整(減額)していく仕組みが導入されています。
少子化対策の強化を
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現在の年金制度では、少子化がいちばんの問題となっています。
子どもが欲しいけど産める状況ではない、または、2人目に踏み切れない、本当は3人欲しかったけど2人で我慢した、という人も多いですね。
子どもを持ちたいと思う人が、理想の人数を産み育てられるような社会の実現を望みます。(執筆者:服部 明美)