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「テレワーク」
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残業代規制や裁量労働制に関する調査など、最近では毎日のように「働き方改革」に関連する報道に接するようになってきました。
政府の進める「働き方改革」のうち、「副業・兼業」について以前取り上げたことがありますが、今回は「テレワーク」について取り上げたいと思います。
「テレワーク」とは
パソコンやモバイル端末を利用して、働く人が時間と場所に関わらず自由に選択して働くものです。
調査結果からみる
総務省による平成27年「地方創生と企業におけるICTの利活用に関する調査研究」によると、
・ テレワークの制度・仕組みを導入している会社は約8%
・ 検討している・あるいは関心があると答える会社を入れてもまだ全体の2割程度の低い割合
・ 従業員別でみると300人を超える規模の会社では2割近く導入
・ 業種別では「情報通信業」は導入率の割合が高い
・ 検討中ないしは関心がある会社を含めると過半数を超えている
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テレワークを取り入れている会社の希望や業種によってかなり幅があるのが実際のところです。
「テレワーク」を既に導入している会社の実態
「テレワーク」を既に導入している会社では半数以上の会社が
・ 生産性・業務効率が上がった
・ 社員の移動時間の短縮
・ オフィスを構えるコストの削減
・ 社員のワークライフバランスの実現
といったメリットを挙げています。
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参照:総務省 平成27年「地方創生と企業におけるICTの利活用に関する調査研究」
情報のセキュリティ問題
導入によるメリットがみられる「テレワーク」ですが、導入する上での問題として会社が一番に挙げているのが、情報セキュリティ確保に関する点です。
通常は業務で使うパソコン・タブレットなどの機器を、私用のものと別に会社のものを貸与されます。
その上で情報セキュリテイのチェックリストを作り、クリアした場合に使うことが必要になるでしょう。
労働時間
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裁量労働を利用する場合、会社(事業場)外の労働ということで「事業場外みなし労働制」の利用が考えられます。
業務の進め方や時間を働く側で決められますが、この制度が使える対象業務が狭く、対象にあたらないと使えません。
裁量労働制とは
業務の性質からみて会社が具体的に指示するのに適さない場合、業務の進め方や時間などを働く側の裁量に任せる制度です。
会社側が導入をためらうテレワークのデメリット
最近の時間外労働に関する規制をみると、裁量労働制の要件を満たしているかを厳しく見られる傾向にあります。
事業場外のみなし労働は、事業場外で労働時間の算定が難しい場合に限って「労働時間」とみなされます。
・ 労働時間の管理が難しい
・ 評価がしにくい
このようなデメリットがテレワーク導入をためらわせています。
在宅勤務で「事業場外みなし労働」を利用する場合
厚生労働省のガイドラインでも在宅というだけでなく、
裏返すと、「勤務時間がわかるようなケース」という状態でないことが前提とされています。
業務日報などで、
・ どこで
・ 何をしていたのか
が把握できて、それに基づいて、
「何をするように指示していたか」
などの管理を会社側がしていた場合は、これまでの裁判で「みなし規定の適用が否定された」というケースがいくつもあります。
働く側の注意点
上の要件を満たすようにするなら、
ということです。
日常での生活と、働く時間が混じった形にならざるを得ないことから、労働時間が逆に長くなりかねないという問題があります。
・ 従業員が何をしているか把握できるソフトなど使っているのか
・ それにより会社の方で勤務時間の算定ができる状態か
・ 労働時間の管理がきちんとされているのか
を、チェックする必要があります。
またテレワークでかかった費用も「業務に関連するもの」について、会社側とどの程度負担してもらうかを事前に決めるようにしましょう。
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「働き方革命」に注目
今後テレワークについては、在宅勤務だけではなく、
・ サテライトオフィス
・ モバイルワーク
も含まれるようになる予定です。
労働時間に関する各制度についても活用方法を働く実態に応じて明確にしたり、情報セキュリティ対応へのガイドラインも改定されることになっています。
多様な働き方の推進によって、いつ新しい制度が会社で導入されるかわかりません。
「働き方改革」がどうなるかは注目しておく必要があるでしょう。(執筆者:片島 由賀)
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