目次
はじめに
定年後の長いセカンドライフ。
という方も多いのではないでしょうか。
40代、50代と早めにセカンドライフの資金対策をしたいところです。
しかし、その時期はまだお子様の教育資金や、住宅ローンの返済もありなかなかセカンドライフの準備までできないのが現状です。
私自身はFPとして長期運用の金融商品でセカンドライフの資産形成をお勧めしているのですが、日本では不動産好きの方が多いようで「不動産投資」に関するご相談が多くあります。
今回は不動産投資で気をつけたい点や、空室対策についてお伝えしていきます。

不動産投資とは
不動産投資は不動産(マンション、アパートなど)を経営することで、その「家賃収入」により利益を得る投資です。
都心でしたらマンションの1室、郊外でしたらアパートやマンション1棟など金額や規模はさまざまです。
退職前のローンが組めるうちに投資物件を購入する方も多いのですが不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの商品です。
家賃収入の良さに目がいき、他の金融商品よりもリターンが高く見えがちですが、空室が出た途端に家賃収入は下がります。
空室のリスクについては後で考えるという方も多いのですが、きちんと投資商品としてのリスクを理解しておく必要があります。
ご相談の多くは、
というもの。
ローン完済前に既に収益がマイナスで困っているというケースが多いのです。
これから、さらに人口減が予測される日本において、この空室対策をしていなければ不動産投資は難しいと言えます。
空室対策
不動産投資の肝となるのは「空室を出さない」こと。
家賃収入が収入源となりますから、空室が出ることで収入が直接的に減ります。
つまり、空室を出さないことが収益の安定につながります。
空室対策にはどのような方法があるのでしょうか?
(1) 入居者の属性を広げる
(2) 家賃を下げずに敷金や礼金を下げる
(3) 管理会社を変える
(1) 入居者の属性を広げる
日本人の人口は右肩下がりですが、近年、外国人労働者や学生の人口は増えています。
また、ご高齢者の方など入居者の間口を広げることも大切です。
(2) 家賃を下げずに敷金や礼金を下げる
上記でもお伝えした通り、家賃収入が不動産投資の収入源となります。
部屋が埋まらないからと家賃を下げてしまうと収入が減ることに直結。
敷金や礼金を下げたり、フリーレント期間を設けたりするなどの工夫も重要です。
(3) 管理会社を変える
(1)も(2)も管理会社のサポートが必要です。
空室が出ないように物件の管理を丁寧に、きめ細やかなサポートをしてくれる管理会社が不動産投資には必要です。
収入が減らず、安定した運営ができる対策はないのか、その物件にあったものを見つけていくことも投資家としては重要です。
新しい空室対策

最近では、空室を居住者で埋めるのではなく、貸しオフィスやパーティースペースなど「レンタルスペース」として物件にあった空室対策を提案してくれるコンサルティング会社も増えてきました。
一例として、株式会社クルトン(http://crewtone.com/)さんでは、収益力の低下した投資用不動産を設備への追加投資ありきではなく、立地・環境・トレンドを加味した企画を中心に低価格での収益改善をお手伝いしてくれます。

いつも2~3部屋の空室が出てしまうオーナーさんは「貸しオフィス」として運用したところ会議や打合せなどのスポット利用だけでなく、家庭教師や英会話教室などで定期的に利用してくれる方も増え、収益が安定してきました。
おわりに
常に投資教育の重要性をお伝えしていますが、皆さん、投資に興味はあるものの、リスクヘッジ(リスク回避)については苦手のようです。
いずれの投資商品においてもリスクはつきもの。
あらかじめ理解しているのと、していないのでは投資後に大きな差が出ます。
これから始める方も、すでに投資されている方もご参考頂ければ幸いです。(執筆者:藤井 亜也)