というセリフは、よく耳にします。
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「子どもは幸せでいてほしい」のが多くの母親の切なる願いですから、「かわいそう」ならと、新しい人生に踏み出せない女性は少なくないのかもしれません。
でも、本当に親の離婚を経験した子どもはかわいそうなだけでしょうか。
母子家庭が子どもに与える影響は、悪いものだけでしょうか。
離婚して13年、二人の息子が成人させた筆者が、自身の体験をもとに検証してみました。
目次
「忙しい」現実は、母子家庭だけではない
「かわいそう」という言葉には、
(2) 経済的に
という二つの意味合いがあると思われます。
「精神的に」というのは、忙しいが故にかまってもらえない寂しさを指すのでしょう。
確かに家計のために仕事に追われると、余裕のある時間は少なくなります。
仕事を終え家にいても、たまった家事をこなさなくてはなりません。
いつも慌ただしく疲れてる…という現実はあると思います。
ただ現代では、母親が忙しいというのは母子家庭に限ったことではありません。
都会でも地方でも結婚しても子どもが生まれても、仕事を続けて頑張る女性は珍しくはありません。
でもそこで、父親がいればかわってフォローしてくれる、ということを一般的には考えます。
しかし、です。たとえ一緒に暮らしていても、父親が子育てに協力的かどうかは個人差があります。
母子家庭で得られること
一方母子家庭では、家族が少ないという事実、母親が忙しいという現状は子どもを含めて祖父母や友人など、周囲の人が意識しています。
母親が留守のとき、どうしても一緒にいられないときは有難いことに、気遣ってくれる人もいます。
さらに子ども自身の心理状態にも、変化が生まれることがあります。
それは兄弟がいれば、兄や姉は下の兄弟に対する思い、家族を大切に思う気持ちが豊かになります。
たとえぶつかることがあっても、親代わりの気持ちが知らず知らずのうちに育っていたというのは、筆者の周りでも耳にする話です。
また、小さい頃は傍にいてあげられる時間が少なくても、子どもと親の関わりは、一生続きます。
「守り育てる親」から、人生の先輩として時にアドバイスをする立場へと変わっていきます。
母であると同時に父親の役割を担い、社会人である人生経験の豊かさは、子どもが成人してからもより多くのことを語り合えるのではないでしょうか。
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やっぱり厳しい! 経済状況
現在母子家庭には行政からの支援として、児童扶養手当が全額受給なら、子ども一人につき月4万2,290円(第二子以降は金額が変わります)が18歳になる3月まで支給されます。助かります。
しかし平成23年厚生労働省の「ひとり親家庭の支援について」
から実情に目を向けると、母子家庭の平均年間収入は223万円、一般子育て世帯の約4割しかないとも言われます。
さらに、働くシングルマザーの半数は非正規で平均就労収入は125万円です。
大学や専門学校への進学を考える頃には、児童扶養手当だけでなく、医療費の助成もなくなります。
私立大学文系では100万前後はかかる学費、それは非正規の平均就労収入は125万円年収とたいして変わりません。
経済的に母子家庭は、厳しいです。
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では、子どもの未来は語れないのか
いえ、めげてはいけません。頑張りましょう。
経済的な安定のためには、まず正社員になることです。子どもが小さいうちは、大変です。
でも社員として雇用されれば、ボーナスや昇給が期待できます。
社員となり固定した給与が得られるということは、どんな暮らしを送るか、生活設計がたてられます。未来が計画できます。
また、住宅にしても教育費用にしても借りなければならないとき、仕事はシングルマザーに信用を与えてくれます。
進学には、情報のキャッチと本人の自覚が必須条件
大金が必要になる進学問題では、まず取り組まなくてはならないことがあります。
それは、「進学は将来のために本当に必要なのか」子どもとしっかり話し合うことです。
ごく当たり前のことですが、借りることになるならば、日本学生支援機構の奨学金は子どもに返済の義務が生じます。
いい加減な選択はできません。
子どもといえども、18歳は成人として認められようとする時代です。
自分の学費は本人も意識することが将来の経済感覚にも役立ちます。
近年では所得により給付される経済支援型の奨学金のほか、成績により免除される給付型奨学金が数多くあります。
日本学生支援機構のHPでは、「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」がある大学563校、短期大学181校、地方公共団体・奨学金事業実施団体等926団体が掲載さいれています。
また一番ポピュラーな日本学生支援機構の奨学金にしても、有利子の第二種と無利子の第一種は成績により決まります。
また、第一種を受給し大学院に進学した学生には、各大学から推薦され認められれば、半額もしくは全額返還が免除されます。
平成28年度は推薦者数8,145人のうち免除者は8,096人。
頑張った学生は恩恵を受けています。(日本学生支援機構)
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さいごに
もちろん、筆者は離婚を勧めているわけではありません。
毎日の暮らしの中に、いくら母親が頑張ってもできない、男親の役割があるのを感じます。
父親がいない現実は子どもにとって、つらいものだと思います。
しかし人生には、いろいろな困難があります。子どもと二人三脚で体験した高校、大学、就職は、どれも大変でした。
でも道が一つひらけるたびに、「世の中にはこんなにうれしいことがあるんだ!」と感じるほど大きな喜びが湧いてきました。
離婚という身も心もしんどい出来事を消化できたときには、自分への信頼とこれから先、頑張れる自信が得られます。
あきらめず頑張り続ければ報われる、そう思いませんか。
長い時間がかかってもようやく得た喜びは、子どもにとっても熟成されて味わい深いものになるのではないでしょうか。(執筆者:吉田 りょう)