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介護施設に入所できない人が多い現状
親や自分の老後が気になる人は多いと思います。
そして介護施設に入所するための費用を調べると結構な金額になることを知って驚くでしょう…。
介護保険料も全国的に値上がりしていますが、実際に介護のかかる費用も全体的に値上がりしています。
私の勤務する特別養護老人ホームでも、利用料金を聞いただけで諦めて帰る人もいます。
在宅介護で限界が来たときに、施設介護の頼る時が来るかもしれませんが、施設介護は年金だけでは入所できず、悩んでいる人がたくさんいます。
今回はお金があまりなくても介護施設に入所する方法をご提案いたします。
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生活保護を検討してみる
生活保護は国が生活に苦しむ国民に対して、必要な保護を実施して最低限度の生活を保障すると同時に、自立へ向かうために助ける制度なのです。
この制度を活用すれば少ない支払いで介護施設に入所できる可能性がありますので、検討してみてもいいでしょう。
生活保護を受給するとどれだけ負担が軽くなるか
私の勤務する特別養護老人ホーム(個室)を例にしてご紹介します。
事例:要介護度3の人が生活保護を申請した場合いくらになるか
通常料金の場合、一日当たりの部屋代(居住費)が1,150円、食事代が1,380円必要です。
さらに、利用料金の1割負担に当たる部分が813円となります。
この3つを合計すると3,343円になり、1か月の料金を算出するために30日で掛けます。
すると、
になります。
これに介護保険外の電気代等の管理費が2万円必要になるので、月々12万291円を負担することになります。
この人が生活保護の申請をした場合、一日当たりの部屋代(居住費)が320円、食事代が300円になります。
利用料金の1割負担に当たる部分は500円(この部分は預貯金や所得によって多小変動します)となります。
この3つを合計すると1,120円に。1か月の料金を算出するために30日で掛けます。
すると、
になります。
これに介護保険外の電気代等の管理費が2万円必要になるので、生活保護の場合月々5万3,600円の負担で済むことになります。
6万6,691円も公的扶助(生活保護)が負担してくれるので、生活が切迫した状態の人には助かる制度なのです。
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生活保護の申請の仕方について
各自治体の担当窓口に直接足を運んでください。
担当窓口が分らなければ総合窓口で「生活保護を受給したのですが、担当の窓口を教えてください」と言えば紹介してくれます。
一般的には福祉事務所が多いです。
この時に必要な書類等ですが、
(2) 資産申告書
(3) 同意書
(4) 家賃・地代等証明書
(5) 給与証明書または給与明細書
(6) 印鑑等
(4)や(5)は必要のない場合もありますので、事前に問い合わせておくのも一つの方法です。
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生活保護を申請後から受給するまで
申請をすれば、自治体の担当職員が調査を行います。
本人に面談にも来ます。そして遅くても30日以内には結果を知らせてくれます。
当然の事ですが、申請をすれば必ず生活保護を受けられるというものではありません。
担当の自治体職員から、施設には連絡がありますが、スームズにやり取りをするためには、申請する前の段階で「実は生活保護の申請を考えています」と一言施設に話しておくといいでしょう。
施設の料金の計算は、施設職員がしてくれて請求が届く仕組みになっています。(執筆者: 陽田 裕也)