複利効果という言葉をご存じでしょうか?
運用において複利効果とは、元本のみでなく利息に対しても利息がつくという意味です。
とくに中長期の投資のように、時間が長ければ長いほど、利息に対する利息が雪だるま式に膨れ上がります。
低金利が定着すると実感がわきにくいですが、バブル以前では「郵便貯金を10年置いておいたら倍になった」という話もあちらこちらで聞かれました。
意外なところでは相対性理論を発表した物理学者のアインシュタインも「人類最大の発明は複利(The most powerful force in the univerce is compound interest)」と言わしめるほど、運用における複利効果は大きなものです。
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(1) 単利方式と複利方式
金利の付き方には単利方式と複利方式があります。
【複利方式】利息が元本に組み込まれる。2期目以降は「元本 + 金利」に対して利息がつく。
もう少し具体的に説明します。
100万円を年5%で運用すると仮定します。
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こう見ると5年という期間でも複利の効果がわかります。
期間が長くなればその効果はさらに増し、利息が利息を生み出します。
10年20年といった中長期の投資にはこうした複利効果は絶大です。
(2) 72の法則
複利に関しては「72の法則」という言葉があります。
ルカ・パチョーリという、イタリアの数学者(「会計の父」と呼ばれています)が、1494年に「スマム」と呼ばれる数学書で述べたものといわれています。
元本を運用で2倍にする年数は下記の式で計算できるというものです。
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例えば、
6%の運用をした場合は、約12年
3%の運用をした場合は、約24年
ちなみにつみたてNISAは期間20年ですが、20年で元本を2倍にするには3.6%の運用になります。
厳密に計算すると誤差がでますが、およその年数を計算するのにはわかりやすい法則です。
株式で運用する場合は値動きの上下が大きいため、一概に計算をしにくいものですが、REITや債券中心の商品などは複利効果が期待できます。
このように中長期投資の場合は、複利効果を活かしながら資産の価値をじっくりと増やしてゆくことができます。(執筆者:相川 隆)