昔から、大なり小なり投資(出資)に関する詐欺が世間を賑わせています。
新聞やニュースで取り上げられる際に「ちょっと考えれば分かるのでは?」と思う内容もありますが、いざ、自分が遭遇した時にはついつい欲が出てしまい、冷静な判断を見失うこともあります。
「投資や出資はしないから、私は大丈夫!」と思っている方も、投資や出資に関する判断基準を持ち合わせていない可能性もあります。
さらに、自分では気づかぬうちについつい欲が出てしまうと、投資詐欺に合わないとも限りません。
チェックしておきたいポイントはどこにあるのでしょうか?
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目次
1. 「儲かる話」は向こうからやってこない
投資や出資、さらには他人を紹介してほしいなどの勧誘を受けた経験がある方もいると思います。
「儲かる話」の裏側には損失が発生する可能性も隠れているのです。
といった投資の格言もありますが、この格言は投資をしないという方にとっても非常に重要ですね。
「儲かる話」に遭遇した時には、収益を得ることを考えるのではなく、最悪の事態のことを自分で想定しておきましょう。
あくまでヒントとしての情報が限度であって、最終的には自分で見つける必要があります。
2. 断定的な表現は要注意
消費者契約法では以下のように規定しています。
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。(消費者契約法4条1項2号)
コンプライアンスを意識した勧誘であれば、不確実性があるものについて断定的な判断や表現はしないでしょう。
あとでトラブルのもとになるからです。
これは個人が勧誘する場合でも同じでしょう。
「絶対に上がる!」
「絶対に損をしない!」
という断定的な表現が出た場合、その内容を疑ってかかる必要があるでしょう。
その内容に興味があれば、その根拠を確認して、自分でも十分に理解できて納得ができるかという判断が必要です。
仕組みや内容は分からないけど「簡単に儲かりそう!」でその話に乗ってしまうのが危険です。
と考える冷静な気持ちを持つことが必要です。
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3. 多くの意見を聞く
自分にとって「お得」な話は、冷静さを失っているケースも多々あります。
そこで、第三者やその分野に詳しい人、専門家に聞いてみるのも1つでしょう。
第三者や専門家でも1人の判断だけでなく、複数の人に聞いてみることで、判断基準が見えてきます。
また、インターネットでも評判が記載されていることもあります。
これも複数のサイトで確認してみましょう。
中には、感情的な意見もあるとは思いますが、これらの情報は自分が判断をする時のヒントとして考えましょう。
4. 出資などの場合は「なぜ、私に?」と考える
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新しいビジネスを開始する時には「資金調達」が必要です。
資金調達には、金融機関やベンチャーキャピタルから調達する方法や、最近はクラウドファンディングで資金調達する方法も増えています。
世の中にはそのような資金調達の方法がある中で、「なぜ、一般の私に?」と思うことが必要です。
出資した見返りに受け取ることができる配当や分配金の金額が多ければ多いほど、注意が必要です。
をより精査する必要があります。
なぜなら、それだけの配当や分配金が受け取れる見込みがある事業であれば、規模が大きければ大きいほど金融機関やベンチャーキャピタルなど、自分以外の誰かが出資するでしょう。
いろいろ考えだすと何もできないと思われたかもしれませんが、大切な財産を大きく減らさない、最悪の場合には借金だけが残ってしまったということは避けたいところです。(執筆者:岡田 佳久)