使えば使うほどポイントのたまるクレジットカード。
家計の固定費の支払いを1枚のクレジットカードに集約してポイントをためているという家庭も多いのではないでしょうか。
筆者宅では、紙はかさばるし読み終えたあとシュレッダーにかけるのが面倒という理由で、WEB明細を利用していました。
しかし、利用するのは固定費の支払いだけだから別に確認しなくて良いだろうと、長い間見ていませんでした。
ある日「そう言えばポイントはどれくらいたまったのだろう」とふと思いつき、久しぶりにログインしてついでに直近の利用明細のページを開いてみました。
「あれ、なんだこれ…」

目次
アンシンパック の文字
「デンキ」や「ガス」に交じって「アンシンパック」という文字が記載されていました。
支払額は3,980円となっています。
さかのぼって明細を確認すると、半年前から支払いが始まっていました。
家電を買ったときに保証をつけることはよくあるのですが、全て家電量販店のポイントで支払っていたため、家電関係の保証ではなさそうです。
「携帯電話端末の故障対策かな」と思いましたが、そうであれば携帯の請求明細に記載された後、通話料とまとめて請求されるはずで、このように単独で支払うことは考えられません。
他の家族に聞いても覚えがないと言います。
困った筆者は「アンシンパック、3,980円、クレジット、明細、謎」と検索ワードを入れて、WEBで検索してみました。
すると、同じように「クレジットカードの明細に謎のアンシンパックの記載がある」とネットの掲示板に相談している人がいました。
回答を読み進めると「ある大手通信会社の販売代理店が、回線契約の新規加入者に対して勧めているオプションサービスではないか」という書き込みがありました。
親切に代理店の名前まで書いてくれていたので、筆者はその代理店の連絡先を調べて電話をかけてみました。
オペレーターに名前を名乗り、アンシンパックの件を問い合わせると、筆者の家族がたしかにこのサービスに申し込んでいるということでした。
知らない間にサービスに申し込んでいた

思い当たったのは、半年前に行った自宅のインターネット回線の契約先見直しです。
マンションの自治会の祭りで、「ネット通信料を今よりお得に」というのぼりを見かけた筆者の家族が興味を持ち、そばにいた営業担当者に話を聞きました。
確かに今の通信料より月1,000円ほど安くなるため、納得しその場で申し込みをしました。
このとき申し込みを受け付けたのは大手通信会社の社員ではなく、販売代理店のスタッフだったようです。
「アンシンパック」はこの販売代理店との契約で、ネットに関する困り事があれば、代理店の社員が契約者宅へ出張して解決してくれるというサービスでした。
もちろん、このサービスに申し込んでいるという認識がないため、一度も利用したことはありませんでした。
一度電話を切り、契約した家族に話を聞いてみると「覚えていない。早口でいろいろ説明されたから、はいはいと返事をしたり、書類にチェックを入れたのかもしれないけど、周りがガヤガヤしていたし、なんせ記憶が曖昧で…」との返事でした。
契約書などを取り交わしていないのだろうかと家じゅうの書類を調べてみましたが、見当たりませんでした。
結局、契約者本人がサービスの解約を申し出て「アンシンパック」の支払いはなくなりました。
しかし、全く使っていないサービスに、半年間で2万3,880円も支払ってしまったことに、筆者も家族も大変落ち込みました。
「安い」、「お得」、「無料」には注意

インターネット回線や携帯電話などは、よくキャンペーンを行って新規利用者を獲得しています。
しかし安くなるかわりに、オプションサービスへの加入が必須であったり、安い期間が限定されていたりと、何かと「からくり」が存在します。
納得の上で申し込んでいる場合は良いのですが、よくわからないまま申し込んでしまうと筆者のように大きな損をしかねません。
「あとで解約すれば良い」と言われてオプションサービスをつけたものの、解約を忘れているうちに無料期間が終わってしまい、正規料金を払い続けるケースもあります。
今ある「無駄金」からチェックを
もちろん契約内容をよく確認して、こういったミスを防ぐことが一番大事です。
しかし、もしすでに「無駄金」があるとしたら、それらを一掃することが急務です。
何年も明細を確認していないクレジットカードや、通帳記載していない口座があれば、すぐに確認をすることをおすすめします。
化石と化した謎の支払いや引き落としが見つかるかもしれません。(執筆者:石田 彩子)