病院での長期間の入院や高額の治療の際に、医療費の自己負担額を軽減する「高額療養費制度」が活用することができます。
しかし利用の際には注意しなければならない点がいくつかあります。
ポイントをしっかり押さえて上手に制度を活用しましょう!
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目次
1. 月をまたぐと対象外
自己負担限度額の集計は月単位で行われます。
一つの入院期間でも月をまたいでいる場合は、それぞれ1日~31日までの間の自己負担額が限度額を超えていなければ給付の対象にはなりません。
2. 世帯合算は同じ健康保険に加入している人のみ
一人分の自己負担額が上限を超えない場合でも、複数の医療機関での自己負担分や、同じ世帯に属し同じ健康保険に加入している人の自己負担分は合算することができます。
しかし共働き世帯などで、夫婦で健康保険が異なる場合などは合算することができません。
また69歳以下の人は2万1,000円以上の自己負担分のみ合算となります。
3. この費用は対象になりません
病院で支払った全ての費用が高額医療費の対象になるわけではありません。
下記の場合は自己負担限度額に含めることはできませんのでご注意ください。
・ 差額ベッド代
・ 先進医療費
・ 自由診療費
・ 出産費用(帝王切開の場合は対応可)
・ 病院への交通費
4. 申請期限は2年以内
高額療養費の請求ができるのは、診療が行われた月の翌月1日から2年以内です。
2018年7月20日に受診した場合は、2020年8月1日までに申請をする必要があります。
一部組合では医療費請求が届くと、組合で自動的に還付手続きが行われますが、協会けんぽや国保の場合は申請を行わなければなりませんので注意が必要です。
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5. 手続きから入金まで3か月程度かかります
高額療養費の具体的な申請手続きを説明します。
↓
(2) 加入している健康保険組合等に高額療養費の支給申請書を提出
↓
(3) 健康保険組合での審査
(4) 高額療養費が支払いされる
およそ支払いまで3か月程度かかります。
6. 一旦全額を支払わなければなりません
高額療養費はいったん自己負担分全額を支払い、後日上限額を超えた分について払い戻しを受ける制度です。
ただ大きな金額を支払うことになるので一時的に負担が大きくなります。
その際の負担軽減の方法を2つご紹介します。
(1) 限度額適用認定証
限度額適用認定証を事前に受け取っておけば、窓口での支払自体を事前に限度額範囲内に抑えることができます。
限度額適用認定証は、各健康保険組合の窓口や国民健康保険に加入している人は市区町村に申請を行う必要があります。
なお限度額摘要認定証の有効期限は1年です。
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(2) 高額医療費貸付制度
高額療養費が支給されるまでの間の医療費の支払いに充当する資金として、高額療養費支給見込み額の8割相当額を無利子で貸し付けを受けることができます。
高額医療費貸付申込書に必要事項を記入して各健康保険組合に提出します。
返済は高額療養費支給の際に返済に充当される仕組みとなり、残額が指定の銀行口座に振り込まれます。
なお健康保険組合により手続等が異なる場合もありますのでご注意ください。
詳しい内容は各健康保険組合の窓口にご確認ください。
また各病院には医療相談窓口もありますのでご活用ください。(執筆者:相川 隆)