目次
「お薬手帳はお持ちですか」
病院で薬を処方してもらうと、受け取るために調剤薬局へ行くことがあります。
受け取る時に必ずと言っていいほど、
と聞かれます。
持っていくと36円安くなります。
なぜでしょう。
お薬手帳についてまとめました。
お薬手帳とは？
お薬手帳とは、
・ どこの医療機関
・ どのような薬を処方してもらったか
を記録しておく手帳のことです。
全国の調剤薬局（保険薬局）などで無料でもらえます。
医師や薬剤師がお薬手帳の記載をチェックすることで、副作用を未然に防ぐことにつながります。
複数の病院、薬局を使っていても、1冊にまとめておくことが大切です。
お薬手帳の歴史
1993年… 薬の飲み合わせが悪く重篤な副作用で患者が死亡した「ソリブジン薬害事件」をきっかけに、お薬手帳は導入されました。
2000年… 厚生労働省の制度となり、調剤報酬として評価され点数がつけられるようになりました。
2016年… 診療報酬改定で、薬学管理料の薬剤服用歴管理指導料を、6か月以内に処方箋を持参し、お薬手帳を持参した場合は38点（3割負担の場合114円）で2014年の改定より3点引き下げました。
それ以外場合は50点（3割負担の場合150円）と16点引き上げになりました。
お薬手帳の活用法
・ 市販の薬を購入する時は自分で記入しておきましょう。
・ 薬を服用中の体調の変化や、医師、薬剤師への質問も記入しておきましょう。
・ 病歴やアレルギー歴、副作用歴も記入できる欄がありますので、転居して新しい病院を受診する時、休日診療所や救急病院を受診する時に持っていくとスムーズに薬を受け取れます。
・ 災害時には、「お薬手帳」があれば、処方箋なしで薬を受取れる場合があります。
お薬手帳を持参しても安くならない場合
1. 前回から6か月以上たっている
2. 大病院の前にある門前薬局やチェーン展開している薬局など特定の医療機関からの処方箋が一定枚数を超えている薬局を利用
上記の場合は、お薬手帳を持参しても、持参しない場合と比べて支払額はかわりません。
薬局ごとに定められている調剤基本料
街中にある薬局（面対応薬局）
地域の住民の方々のかかりつけ薬局として、使用中の薬の情報をまとめて把握し、健康のサポートをすることが求められているのでコストがかかり、41点と高い点数です。
門前薬局やチェーン展開している薬局
25点、20点など点数が引き下げられました。
かかりつけ薬剤師を指定した場合
「かかりつけ薬剤師指導料」が70点（3割負担の場合210円）加算されますが、薬剤服用歴管理指導料がかからないので、お薬手帳を持参しても支払額は変わりません。
信頼できる薬剤師に服用している薬の管理をまかせることができる手厚い制度です。
自分で管理できる場合
指定しなければならないということはありませんので、ご自身の状況に合わせてご検討ください。
「お薬手帳」アプリ
スマートフォンにダウンロードしておけば、お薬手帳を持参することを忘れることがなく便利です。
薬の飲み合わせは命に関わります
私の知人が、体調不良で先日病院に行った際、何気なく使っている鎮痛剤との飲み合わせを指摘されたそうです。
医師や薬剤師と相談する場合、市販の薬を購入した時も自分で記入しておくと役立ちます。
医療費控除やセルフメディケーション税制と同時に活用したい制度です。（執筆者：藤原 洋子）
