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難病とは何か?
高齢者と介護、そして難病とは密接な関係にあります。
私の勤務する介護施設において、難病と診断されている人は、55名中5名もいるのです。
では、難病とは何を指すのでしょうか?
ただし、完治はしないものの、適切な治療や自己管理を続ければ、普通に生活ができる状態になっている疾患が多くなっています。
そのために、現在、「病気をもちながら働く(働き続ける)」ことが大きな課題になっているのです。
しかし、高齢者の場合は、元々の体力の低下や、介護を受けている状態であれば、その人や家族に掛かる負担は大きなものになるのです。
下の表は厚生労働大臣が指定する難病の一部です。
現在では300以上の難病がありますが、全ては厚生労働省のPDFファイルから確認ができます。

介護と難病
ここで私の体験談をお話します。
特別養護老人ホームで暮らす70代の女性は、重度のリウマチで身の回りのことを、自分ですることができませんでした。

認知症はなく、意思疎通はしっかりできていたのですが、その人が発する言葉がなんとなく聞き取りにくく感じることがあったのです。
職員はそれほど気にしてはおらず、様子を観ていました。
しかし、次第にその症状が悪化したので病院を受診することにしたのです…。
その結果、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の疑いがあると医師に告げられたのです。
しかし、この段階では「疑い」だったため、最終的には大きな専門の病院を受診して正式な診断をされたのです。
ALSとそれにかかる費用
ALSという病気は手足、のど、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が次第に痩せて力が入らなくなるのです。

よって、日常生活に支障をきたすため、様々な工夫された用具を使うことになります。
医療費がかかる上にこのような用具まで必要になると、かなりの金額のお金が必要となるのです。
例えば、私が体験したこの女性は「意思伝達装置」というものを利用しながら、職員とコミュニケーションを取っていきました。
【意思伝達装置のイメージ図】

指定難病医療費助成について

上の表をご覧いただければ、どれだけ安くなるかお分かり頂けると思います。
上位所得の人でもこの制度に該当するため、最高でも月々3万円、低所得の人なら2,500円になるのです。
介護施設に入所して、介護保険の利用料金を支払いながら医療費が高額になると、金銭的にかなりの負担となりますので、積極的に利用することをお勧めします。
指定難病医療費助成の申請方法

まず、受診をして診断を受けることになりますが、診断書は全ての医師が発行できるわけではありません。
指定の難病医に書いてもらいましょう。

介護施設に入所している場合なら、生活相談員(社会福祉士)が本人や家族の代わりになって、手続きを行なってくれる場合があります。
その場合、管轄の保健所と連携を取って、難病についてサポートしてくれる仕組みになっています。(執筆者:陽田 裕也)