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日経平均とTOPIX
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日本の株式相場において代表的な指数である日経平均とTOPIX。
この2つの指数を投資家目線で見てみると、日銀も利用する「なるほど投資活用法」が分かってきます。
「この9月に発表となる銘柄入替えで株価は上昇するのか?」
など、今さら聞けない算出ルールと合わせて解説いたします。
日経平均とTOPIXの大きな違い
日本の上場企業数は2018年7月末時点で3,600社以上。
その中で東証一部上場の企業を対象とした2つの指数ですが、一番大きな違いは対象となる企業数です。
日経平均株価指数とは
日経平均株価指数(以下、日経225)は日本経済新聞社が算出し、成長期待が高く流通性も高い選ばれた225社で構成されています。
日本を代表する企業が選ばれ、景気を最も敏感に反映する指数と言えますね。
これら企業から中小企業へ下請け注文が入ることを考えると、実態景気より先行して株価が上下する傾向があります。
なお指数採用基準は株価の大小ではなく、36業種をさらに6セクターに分け、構成される業種に偏りが出ないよう配慮されています。
その6セクターのうち割合が多いのは、
・ 素材(鉄鋼・商社)
・ 資本財(機械・不動産)
となり金融は10%程度です。
技術セクターはハイテク・IT企業で構成されるため、バブル崩壊後に日経225が大暴落し、今に至っても3万円を越えないのはこの割合にも理由があるのかもしれません。
TOPIX指数とは
日経225が225社に限定される株価を指数化したものであるのに対し、TOPIXは東証一部上場約2,100社全体の時価総額を指数化したところが違いです。
また日経225はユニクロで有名なファーストリテイリングやファナックなど、特定企業の株価が大きく影響を及ぼす算出方法(額面50円としたみなし株価)となっています。
TOPIXは東証一部の時価総額を指数化しているので、特定企業の影響は少なく日本景気全体のパイが大きくなっているかを判断する指数と言えます。
対象銘柄が多いことと、株価ではなく時価総額全体を指数化していることで、TOPIXは日本景気の実態を裾野まで反映する指数の位置付けとなります。
実はバブル期越えの現状株価
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現在TOPIXは1,700ポイント付近とバブル期のTOPIX最高値(1989年の2,884ポイント)を越えていませんが、2015年に時価総額では既にバブル期を越えています。
TOPIXは1989年の東証一部時価総額を100とした指数で表しますが、2006年に算出基準が変更になったことが影響しているのです。
細かくは解説しませんが現在のTOPIX算出方法は「浮動株基準株価指数」と呼ばれ、安定株主が保有している割合は排除される方法に変更となり、指数の継続性がなくなっているのです。
企業利益が過去最高水準となり、新規上場および増資を繰り返す東証一部上場の時価総額が過去最高である現状は、実はバブル期よりも日本景気が良いと言っても過言ではないのです。
2つの指数を使った投資活用法
2つの指数が表す意味を理解いただいたところで、ここからは投資する際にどう活用するかを解説していきましょう。
NT倍率を見よう
景気先行指数である日経225と、景気全体を反映するTOPIXを比べると、今はどちらの指数に投資する方が良いかが分かります。
指標となる「NT倍率」
・ Nは日経225のN
・ TはTOPIXのT
で、「NがTの何倍か」を算出します。
景気が上昇局面にある場合、日経225が先に買われ景気全体が後から追いかけてくることで、NT倍率は高くなります。
アベノミクスが始まった2012年は11倍程度だったNT倍率が、現在では13倍程度。
バブル期の1993年には14倍まで上昇しましたが、この先はどうでしょう?
「景気踊り場の兆し」が見え出し、日銀もTOPIX型のETF購入を増額する現状では、NT倍率が頭打ちとなる。
つまりTOPIX指数連動型の投資が有効であると考えます。
銘柄入替えになる企業の株価はどうなる?
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日経225は毎年10月に銘柄入替えを行います。
発表は同9月上旬となり、新たに組み入れられる企業の株価は上昇します。
外れる銘柄は下落します。
日経225は代表的な指数であり、それを反映させたその他の指数や投資信託が対象銘柄の株を機械的に買うからです。
世界の先進国で株価が過去最高を更新していないのは、日本だけとなっています。
年末にかけ、株価上昇に期待したいですね。(執筆者:中野 徹)