2009年11月に太陽光発電の余剰電力の買い取り金額が、24円/kwhから2倍の48円/kwhに値上げされた。
値上げの期間は10年間で、10年の期間が満了するのが2019年の10月なので、2019年問題と呼ばれている。
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目次
2019年問題
電力会社は10年後の買い取り価格は
としていたが、48円/kwhに値上げとなった当時は、10年後は元の24円/kwhに戻ると思われていた。
従来の買い取り価格の24円/kwhは、当時の電気代の平均販売単価で、電力会社の利益は考えずに設定されていた。
当時は太陽光発電の発電量も少なく、電力会社も独占企業だったからある。
しかし、2012年7月の全量買い取り制度のスタートにより、太陽光発電は投資の対象となり、爆発的に普及した。
そして、2016年4月には電力小売自由化が始まり、電力会社も競争に晒されることとなり、政府の想定する固定買取期間満了後の買い取り価格は、電気の卸売価格相当の11円/kwhに引き下げられた。
買取単価は未だ公表なし
2019年11月以降、10年間の固定買取期間が満了した太陽光発電の余剰電力の買取義務は電力会社にはなく、該当者は大手電力会社か新電力から売り先を自分で選定する必要があるが、買取価格をどこの電力会社も未だ公表していない。
しかし、新電力で買取価格を明示している会社があり、その価格は8円/kwh+当初2年間のみ+2円/kwhのプレミアを付けて10円/kwhをアピールしているところを見ると、大手電力会社の買取価格8円/kwhと予想されるが、該当者は各社の買取単価の決定を待つ必要がある。
解決策は自家消費
固定買取制度の固定買取価格の上乗せ分の財源は、電気を購入している人が支払う再エネ賦課金で賄っており、電気の使用量に応じて2.9円/kwhを電力会社に支払っている。
オール電化の家庭に設定されている割安の深夜電力料金も、再エネ賦課金を加えると13円以上/kwh支払っており、売電するより使う方が得なことは間違いない。
1. 蓄電池の導入
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太陽光発電で作った電気を自家消費する為には、蓄電池が必要である。
しかし、蓄電池の容量には限界があり、価格的に手が届くのは10kw未満までだ。
4kwのパネルを設置している場合、一日平均12kwh、多い日には20kwh程発電するので、蓄電池だけでは蓄えきれない。
2. 電気自動車への充電
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電気自動車のリーフは、40kwhの大容量バッテリーを積んでいるので、電気自動車を蓄電池として利用する選択肢もある。
ただし、電気自動車を蓄電池代わりにすると、昼間は車に乗らずに、雨の日か夜に車に乗ることになり、その間は蓄電池として使えない。
結果、蓄電池の容量不足を補うためにしか使えない。
3. エコキュートの昼間利用
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蓄電池の容量不足を補うには、電気自動車の他にはエコキュートを活用する方法がある。
従来エコキュートは、安い深夜電力を利用して夜の間にお湯を沸かしていた。
しかし、深夜電力より安い余剰電力でお湯を沸かす方が得になる。
水道管の水温が下がる夜にお湯を沸かすよりも暖かくなった昼間にお湯を沸かす方が、少ない電気で沸かせる上、湧いたお湯をすぐに使うので温度のロスも少なくて済む。
しかし、タイマー設定を昼間お湯を沸かす様に変えてしまうと、雨の日には昼間の高い電気代でお湯を沸かしてしまう。
4. HEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)と連携
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そこで、必要な機能がAIを活用したHEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)だ。
明日の天気予報からお湯を沸かす時間を判断して、最も安い電気代でお湯を沸かすようにする。
導入コストはいくらかかるか?
蓄電池とHEMSとエコキュートで、最大98%の電気の自家消費が可能になるらしい。
逆に導入コストで出費が増えたら意味がない。
安い売電単価になると…
何もしなくて安い単価で我慢するのも選択肢の一つだ。
電気代を1万円/月支払っていて、売電金額も現在1万円/月受け取っていると仮定する。
売電単価を8円/kwhと仮定すると、現在の48円/kwhの1/6となる。
即ち、売電金額は1万円/月から、1,667円/月に下がる。
現在、再エネ賦課金を2,500円/月払っていても、それまでは1万円/月貰っていたので、気にならなかったが、貰う金額の方が少なくなると、きっと腹が立つだろう。
導入コストはどのくらい?
差し引き8,333円/月の電気代を殆ど0円にできたとしても、投資できる金額は8,333円。
今後再エネ賦課金の上昇で電気代が上がるのは予想できるが、出しても1万円/月位までだろうか?
蓄電池とHEMSとエコキュートで260万円と想定し、15年のクレジットを金利2.5%で計算すると支払いは17,336円/月。
かなり出費の方が多くなる。
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リフォーム資金は、住宅ローンの借り換えで
私はリフォーム資金の調達には住宅ローンの借り換えを勧めている。
なぜなら、住宅ローンが最も金利が低く、返済期間が長く、団信に加入できるからだ。
住宅ローンの借り換えで考えてみると、10年前に1.8%の金利で家を建てた人が、借り換えで260万円のリフォーム資金も含めて借り換えたとしてみよう。
(※新築時の借入金は3,500万円とし、金利1.1%で借り換えたと仮定する。)
現在の返済金額に+4,330円/月程の支払いで、蓄電池と HEMSとエコキュートを導入でき、電気の自家消費が可能となる。
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勿論、ローンの状況は其々異なるので、一概に手出しが無いとは言えないが、
だ。
2019年問題の対策のカギは「住宅ローン」である。(執筆者:竹下 秀一)