厚生労働省が作成する簡易生命表(平成28年)によると
ところが、自立した生活を送ることができる「健康寿命」となると、男性で約8年、女性では約12年も短くなるようです。

皆様の中にも、自分が介護状態となったり、一人で暮らすのが厳しくなった場合に、
と考える方もいらっしゃることでしょう。
先日も、高齢者向け住宅への住替えを考えている方に、いくつか見学に行くことをお勧めしたばかり。
しかし見学をする前に、どういう暮らしをしたいのか、ある程度イメージしてから訪問するのが効率的です。
部屋の間取りや食事等、自分の好みもあるかと思います。
事前に確認しておくべきこともあるので、「立地」、「入居条件」、「費用の仕組み」、「部屋」、「食事」の5つに絞って見学のポイントをお伝えいたします。
目次
見学のチェックポイント
1. その住まいは、ある程度便利な所にありますか?

・交通の便利な所にありますか。身体能力が低下しても歩ける距離ですか。
・買い物や病院等に通いやすい所にありますか。
どこに行くにも不便ですと、出かけるのが億劫になって引きこもってしまうということもあるかもしれません。
適度な外出が、心にも身体にも良いようです。
2. 入居条件はどうなっていますか?
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・認知症の場合、入居することは可能ですか。
・保証人、身元引受人の要件はどうなっていますか。
・火災保険の加入は義務付けられていますか。
今は元気でも、認知症になったら出ていかなければならないという所もあります。
最期の看取りまでしてくれるのでしょうか。
3. 費用の仕組みはどうなっていますか?
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・毎月の費用(家賃・共益費・管理費)はどうなっていますか。
・電気・ガス・水道代・電話代・火災保険料等は家賃に含まれていますか。別途支払いですか。
火災保険料は家賃に含まれず、別途支払いという所もあります。
また、冬の寒さが厳しい地域に住んでいる方は、灯油代は別に支払うということになれば、その分の負担も重くなりそうですね。
4. 部屋の間取り、広さは十分ですか?
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・所持品を持参しても十分な広さですか。
・押入れやクローゼット等の収納はありますか。
・室内の向きや日当たりはどうですか。
・トイレ、洗面所、風呂は共有ですか。
・キッチンはついていますか。
夫婦で住める部屋がないというケースもあります。
あっても数が極端に少なく、なかなか空かないという話も聞きます。
また、キッチンらしきものはあるが、火はできるだけ使わないよう指導されている所もありました。
5. 食事の提供は?
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・調理人がいて、温かい食事をいただくことができそうですか。アウトソーシングですか。
・入院や旅行等で食事を取らなかったら、料金は返してくれそうですか。
・食べたい時間に食べることができますか。
・咀嚼機能が衰えた時の食事は?
その住まいに何年もお世話になるということもあるかもしれません。
食事が口にあわないのが一番つらいかもしれませんね。
見学会で試食させてくれる所もあるようです。
まとめ

5つの項目に絞ってみても、「確認すべきことは結構ある」ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
また、見学を一度もしない、あるいは1軒だけ見学して決めてしまったというケースもあるようです。
「こんなはずではなかった…」と、転居を繰り返す方もいらっしゃるようですから、身体が動くうちに、できるだけ多くの住まいを見学するようにしましょう。(執筆者:横井 規子)