高齢者社会を生き抜くコツについて考えてみます。

目次
1. 老後観そのものを変える
まず、
それなりの年月を生きていると、いろんなことに対する先入観ができてしまうものです。
今後は高齢者の生活が、一昔前とは様変わりします。
中でも、激変するのはおカネ事情です。
2. 死ぬまで働く覚悟をしておく
相当な高齢になるまで働き続けないと、ごくフツーの生活も成り立ち得ないことは、いろんな統計で明らかとなっています。
今は違和感のあるファストフード店でバイトする高齢者の事例なども、すぐにフツーの風景になります。
残念ながら、「明日は我が身」です。

3. 親世代をモデリングしない
最重要ポイントは、
ということです。
親世代と同じような老後の日々が、あなたの老後に待っていると期待しているなら、大きくアテが外れることになります。
例えば、男性の場合。
昭和16年以前に生まれた世代は、60歳台前半で「満額の年金」がもらえました。
が、昭和36年以降に生まれた世代は、60歳台前半に1円の年金ももらえません。
生涯の支払い年金保険料は、昭和36年以降生まれの方が遥かに多額になります。
ちなみに女性の場合、男性の事例から5年遅れのスケジュールとなります。
この5年間の公的年金の有無は、その後に昭和36年以降生まれ世代が少々長生きしても取り返せない生涯にわたる「差」になります。
知っておきたい明らかな世代間格差
高齢になった段階で、これだけまとまったおカネがカットされてしまうと悪影響が出ないワケがありません。
年金支給をカットする作業(年金支給開始年齢の引き上げ)は、2018現在、その途上です。
作業が完了する2025年以降、「世代間格差」の議論が再燃するに違いありません。
昭和16年生まれと昭和36年生まれでは、わずか20年しか違いません。
一世代は30年です。
つまり、一世代に満たないような短い期間で、高齢者の懐具合は激変してしまうのです。

社会保障予算の限界を知る
また、日本は経済成長を止めて、世界から見て相対的に貧困化しています。
日本では、アルバイトの時給がようやく1,000円に届くようになりました。
が、経済成長の続く米国では、時給換算で20ドルくらいの仕事はカンタンに見つかります。
総人口が減っても、高齢者が増えても、経済成長さえ持続出来ていれば、それなりに高水準の社会保障も維持出来たに違いありません。

今後は、絶対数の増える高齢者(65歳以上)による、限られた社会保障予算の分捕り合いが展開されることになります。(執筆者:金子 幸嗣)