今年多発した災害や東京オリンピック問題で、何かと話題のボランティア。
ボランティアは、年をとっても無理なく社会参加でき、やりがいを実感できるのが大きな魅力です。
だからこそ、仕事や子育てが終わった世代の「新たな居場所」として選ばれているのでしょう。
実は、筆者もそのひとり。
子育てが終了した数年前からボランティアへの参加を始めましたが、参加期間が長くなるほど、ボランティアが生涯楽しめる活動であることを実感します。
そこで今回は、「人生後半をより豊かにするボランティア」をテーマに、そのメリット・デメリットをご紹介。
また、ボランティアを長く楽しむための注意点もお伝えします。

目次
ボランティアとは?
最初に、ボランティアについて簡単に説明します。
ボランティアは、各人の自主的な意思に基づき、原則無償で行う社会貢献です。
中には交通費などの実費や謝礼が出る有償ボランティアもあります。
一般的に知られているボランティアは以下のとおり。
・医療活動
・公民館、図書館、美術館などの活動
・子育て支援
・障がい者支援
・外国人への日本語指導
・介護施設の慰問
・イベント運営
・環境保護
・動物保護
・ホストファミリー
・PTA活動
ほかにもさまざまなボランティアがあります。
これらのボランティアには老若男女を問わず多くの人が参加しており、活動を通して世代を超えた交流が行われています。
ボランティアのメリット
ボランティアの最大のメリットは、現役引退後も社会と接点を持ち続けられることでしょう。
事実、ボランティアに参加しているシニアは非常に生き生きとしており、実年齢よりも元気で若く見える人も数多くいます。
また、あまりお金をかけずに参加できるのも大きなメリットです。
現役を引退すると大きく収入が減りますが、そのような世代でもボランティアなら無理なく参加できます。
さらに言えば、美術館ボランティアやボランティアカメラマンなど、趣味に直結したボランティアがあるのも大きな魅力です。

ボランティアのデメリット
一方、ボランティアにはデメリットもあります。
どんな集団でも起こりうる、「人間関係のトラブル」です。

ボランティアで起こるトラブルに特有なのが、参加者間の熱意や運営方針の違いです。
どちらもボランティアを有意義なものにしたい気持ちは同じですが、両者の考え方のズレから深刻な問題に発展することがあるのです。
そのような問題は事前に防ぎにくいとはいえ、自分がその引き金になるのは絶対に避けたいところです。
そのためにも、自分が先導して誰かを批判しないように注意することが大切です。
ボランティアを楽しむための3つのポイントとは?
以上のことをふまえた上で、人生の後半にボランティアを楽しむための注意点をお伝えします。

1.自分が本当にやりたいボランティアを選ぶ
ボランティアを長く楽しむためのポイントとして真っ先に挙げたいのが、「自分が本当にやりたいボランティアを選ぶ」ことです。
筆者の経験で言えば、自らが興味を持ち、自分の意志でボランティアを選んだ場合、たとえ残念な結果になっても、それを前向きに受け止めることができます。
逆に、「人に誘われたから」などの理由で、興味がないボランティアに参加することはやめましょう。
それがストレスになると、誘ってくれた人との関係まで悪化してしまいます。
参加も脱退も自由なのがボランティアのよいところです。
だからこそ、人に左右されることなく本当にやりたいことを選びたいものです。
2.日常生活に支障がない程度に参加する
「日常生活に支障がない程度に活動する」というポイントにも留意する必要があります。
ボランティアと日常生活のバランスをうまく取れないと、必ず生活に支障が生じます。
たとえば筆者は、数年前に家事、仕事、ボランティアの両立がうまくいかず、長期にわたりボランティアをお休みせざるを得ない状態になったことがあります。
また、PTA役員をやっていたころの話ですが、PTA活動に没頭しすぎて仕事がおろそかになり、転職を余儀なくされた人もいました。
以上のような人は、参加にあたってくれぐれも日常生活がおろそかにならないよう注意した方がよいでしょう。
なお、移動に時間がかかるとそれがストレスになる場合もあります。
できれば移動時間が短いボランティアを選ぶのも、長く楽しく参加するコツです。
3.お金がかからないボランティアを選ぶ
お金がかからないボランティアを選ぶのも、非常に重要なポイントです。
たとえば、遠方への災害ボランティアは、交通費、現地での滞在費などの支出が非常に多くなります。
家計に余裕があれば問題ありませんが、そうでない場合はおすすめできません。
できれば、極力持ち出しが少ないボランティアを選ぶ方がよいでしょう。
また、交通費や食費、謝礼などが出る有償ボランティアもあります。
それが興味のあるジャンルなら、ぜひ前向きに参加を検討してみましょう。
「人生100年時代」にこそおすすめしたいボランティア

人生100年時代が到来し、第一線から離れたあとの人生は非常に長くなりました。
その長い時間をより有意義に過ごす手段として、ボランティアをひとつの選択肢にしてみてはいかがでしょうか。(執筆者:大岩 楓)