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つみたてNISAのデメリット
つみたてNISAは年間40万円を投資することが可能で、最長20年の間、発生した利益が非課税になる制度です。
つみたてNISAを始めてみたいけど、デメリットが気になリます。
投資の初心者でも始めやすい金融商品と言われていますが、誰にでも適している訳ではありません。

つみたてNISAならではのデメリットがあります。
(1) 選べる金融商品が少ない
つみたてNISAで対象となる金融商品は金融庁が厳選した162本になり、低コストのインデックスファンドが142本、アクティブファンドが17本、ETF(上場投資信託)が3本です。
投資できる商品が限られているので銘柄を選びやすくなりますが、いろいろな投資商品から検討したい人にとってはデメリットです。
また、つみたてNISAでは個別株やREIT(不動産投資信託)には投資できません。
配当金や株主優待を目的にした場合は通常のNISAを選択しましょう。
(2) 元本割れしてしまう可能性がある
金融庁が厳選した金融商品とはいえ、投資信託やETFは元本が変動しますので、運用中に元本割れしてしまう場合もあります。
あくまで資産運用ですので必ずしも利益が出るということはなく、元本も保証されていません。

(3) 非課税期間が決められている
非課税期間が「20年」と長いですが、決められていることでデメリットにもなります。
例えば、つみたてNISAで投資した商品が非課税期間が終わったときに、元本割れしているとしましょう。
まだ値上がりすると考えて売却をしない場合、その商品はつみたてNISAの口座から「課税口座」へと移されます。
その後、投資した商品の価格が上がり、元本割れがなくなったので売却したとします。
そうすると、値上がりした分は課税対象になり、税金を支払わなくてはなりません。
しかし、金融庁は少額からの長期・つみたて・分散投資を支援するために「つみたてNISA」の制度を作りました。
これから制度が変わり非課税期間の延長や廃止される可能性も十分あるでしょう。
(4) 投資できる金額が少ない
非課税枠が毎年40万円までの利用になり、投資期間が20年ですので、最大で800万円までしか投資ができません。
それ以上の投資をしたい場合は、課税口座を利用する必要があります。
(5) 非課税枠を翌年に繰り越せない
もし、10万円の非課税枠を残した場合、翌年に40万円 + 10万円 = 50万円分の投資を行うということは不可能です。
(6) 損益通算はできない

「損益通算」とは証券口座を複数利用しているときに、それぞれで発生した損益を合算して税金の負担を軽くできる仕組みです。
例えば、証券口座を2つ利用して投資を行っているとします。
ひとつの口座で利益が+ 20万円、もうひとつの口座で- 10万円になった場合、損益の合算が+ 10万円となり、「10万円」が課税の対象です。
けれども、つみたてNISAではこの制度が適用されません。
ひとつの口座で+ 20万円、つみたてNISAの口座で- 10万円だった場合、「20万円」が課税の対象です。
つみたてNISAの口座のみで投資を行う人にとっては問題ありませんが、複数の証券口座を利用する人にとってはデメリットになるでしょう。
デメリットを確認してから検討しましょう
つみたてNISAは投資初心者の方におすすめの金融商品ですが、このようなデメリットがあります。
実際につみたてNISAで投資を始める前にこれらのデメリットを確認して、自分に合った投資方法なのかを検討することが大事でしょう。(執筆者:野本 一貴)