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NHKが受信料を値下げします
NHKは11月27日、受信料を値下げする考えを発表しました。
受信料は固定支出ですから、少しでも安くなるのはうれしいです。
具体的な値下げ率はどのくらいかというと4.5%程度です。
これは消費税アップ時に据え置きする分を含めた数字ですので、実際には現在払っている受信料から2.5%安くなります。
もちろん値下げがないよりマシですが、多くの方は期待以下だったとガッカリしているのでないでしょうか。
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NHK受信料値下げの概要
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NHKは今回の値下げ実施の理由を次のように述べています。
・放送センターの建替え、2020年東京オリンピック・パラリンピック対応、4K・8K対応などの支出準備に一定の目途がついたこと。
つまり、受信料収入が大幅に増えた一方、新たな大きい支出の予定がないため、受信料を値下げしても経営できると判断したのでしょう。
とNHKは発表しています。
値下げの程度は4.5%程度としています。
(2) 2020年10月に2.5%(地上契約33円・衛星契約57円)値下げ。
(1)と(2)を合わせて
ということです。
とはいえ、2019年消費税率引き上げ時に据え置きされてもあまりありがたみを感じません。
もちろん、そこで値上がりしたら負担感はあるのでしょうけど。
これまでの受信料のようにキリのいい金額なるとすれば、地上契約が月1,270円、衛星契約が月2,220円あたりになると予想します。
これは振込用紙2か月払いの料金をベースとしていますので、口座振替やクレジット払いの場合、半年払いや一年払いをしている場合は割引が適用されます。
※参考資料:日本放送協会 理事会議事録 平成30年11月27日開催分(pdf)
受信料は世界的に見て高いのか?
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今回の値下げは、1968年にラジオ受信料が廃止され、テレビ受信料に一本化されて以来2回目です。
1回目は2012年10月に行われ、その時は8.9%の値下げ(月70円)でした。
現在の受信料金はこのようになっています。
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NHKの受信料は世界的に見て高いほうではなく、主要国の公共放送の受信料で比べると極めて平均的な価格です。
主要国では日本と同じように地上デジタル化が完了しており、NHKが進めたいとしている公共放送のネット配信サービスについては、ヨーロッパ各国ではすでに開始されているところもあります。
さらに、ネットへの展開に合わせて受信料制度の改正もされています。
ドイツでは2013年にテレビ有無にかかわらず、住居単位での放送負担金制度が導入されました。
このように世界的な動きを知ると、日本の受信料制度でなにか変化がある可能性も考えられます。
※参考資料:NHK 世界の公共放送 -制度と財源報告2018
受信料の適正価格はいくら?
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受信料額の決め方や算出根拠はどうなっているのでしょうか。
NHKは収支予算・事業計画などを総務大臣に提出します。
その内容は国会に提出され審議を経て承認を受けます。
なぜ国会で審議や承認を行うのかというと、NHKの財源である受信料は視聴者が公平に負担しているため、視聴者すなわち国民の総意である国会でその使途等の承認を得る必要があるからです。
毎年度の受信料の月額は、このように、収支予算の国会承認によって決まることになっています。
公共放送としてのインフラ整備や保全、放送に関わる技術開発、あるいはコンテンツ制作などにある程度の予算が必要なことは理解できます。
受信料制度に疑問を持ちながらも、NHKの存在は必要だと感じている方が多いこともたしかです。
決して民放ができる番組に予算を使って欲しくない
そのためには、受信料額をみなさまの納得できる(しかたないと思える)適正価格に近づけていく努力をNHKに求めたいと思います。
NHKが進めたいというネット同時配信サービスについては、世界的な動きでもあるため、放送法の改正によりそう遠くない未来に開始されると想像できます。
そうなると現行のようにテレビがある世帯だけではなく、インターネット環境のある世帯は受信料が必要ということになり、若い単身世帯の支払いが増え受信料収入はさらに増加します。
その時にはぜひ、今回のようにみなさまへ還元してほしいですし、大きな値下げとなることを期待します。
わたしはNHKの番組は好きですし、NHKの存在意義も理解しているつもりですから、受信料の支払いに異存はないものの、現在の2万4,770円は、やっぱり負担です。
個人的には衛星契約でクレジット1年払いした時(※)に1万2,000円(1カ月当たり1,000円)になれば理想だと考えますが、さすがに無理でしょうかね。(執筆者:野原 あき)