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捨て方に悩むスプレー缶
先日札幌で、スプレー缶廃棄時の大きな爆発があり、大惨事になってしまいました。
スプレー缶は身近にありながら、「捨て方」にも決まりがあるのですが、少しくらい大丈夫と思ってしまう人々の重なりで、重大な事故を呼んでしまうこともあります。

スプレー缶の過去の事故例

家庭にある「ヘアスプレー」、「制汗剤」、「殺虫剤」、「カセットコンロの燃料ボンベ」のガス抜きや穴あけをやっているときに、火を使用して火災になった事例が実は多いのです。
少しくらい…という思いと、ガスは下の方にたまるので、人間の鼻の高さから離れていて、気づかないという事実から、火を使ってしまい引火するという事故に繋がってしまうようです。
意外と知られていない事故ですが、電磁調理器を使用中に、カセットコンロを併用して使用するケースで(2台必要だったのでしょう…)これは非常に危ないです。
電磁調理器で近くのカセットコンロが過熱されて爆発するケースがありました。
カセットコンロはすでに火が出ている状態ですから、爆発すると激しい火災になることが必至です。
ガスが漏れての引火ではなく、過熱による爆発にも注意です。
スプレー缶の注意点
今回の札幌の事故があり、スプレー缶の捨て方があらためてニュースでも報道されました。
缶に記載の「使用上の注意」に必ず目を通し、「スプレーの噴射後」(後処理の穴あけを含む)は、火を近づけないことが大切です。
また、廃棄時には、中身を使い切ることが大事ですが、「穴あけ」などをして廃棄する場合も含め、まだガスが残っている場合は、火気のない屋外で行う、広いところで処理することをお勧めします。
スプレー缶が爆発した時の保険は?

火災保険での対応が可能です。
火災保険は「火災」という項目の中に「破裂・爆発」も含まれていて、それに加えて、「風災(台風)」、「水災」などが基本的なミニマムな火災保険です。
ですから、建物に「火災保険」がついていれば、それによって建物の損傷は補償が可能です。
爆発事故で被害を出してしまったときの他人への補償は?
爆発事故からの火災に発展し、近隣に多大なる損害を与えた場合、日本には「失火法」(重過失でなければ、損害賠償責任が発生しない)があって、守られることになっており、他人への賠償が問われないケースがあります。
このような爆発事故が起こった際は、
・「過失」に当たるのか
・「重過失」にまで及ぶのか
などが論点になり、「爆発」であるとか「重過失である」と認定がなされると、他人への損害賠償請求が求められます。
損害賠償請求を求められたら?
個人の場合、発動できるのが「個人賠償責任保険」です。
自転車保険の事例でもお伝えしたあの保険です。
フレキシブルな保険です。
今は示談交渉までついている保険も多いので、また年間2,000円弱で入れますので、まだご加入ではない方は、ご検討をされた方がよいと思います。
取り扱いは慎重に…
今回は、札幌のスプレー缶の事故を契機に、個人の方のスプレー缶による事故と保険についてまとめてみました。
札幌の事故は「企業」が起こした事故になりますので、上述の個人の保険は発動しません。
企業自体が、この事件に関する賠償責任保険や、お見舞金が出せるような保険手配をしているかが問題になってきます。
まずは、個人の家でのスプレー缶の取り扱いに注意し、念のため火災保険・個人賠償責任保険の加入がなされているかの確認をしてみましょう。(執筆者:鮫島 ひかる)