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毎年1月は株価が上がる?
経験則的に投資の世界で語られるあるウワサ話があります。
というものです。
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実際に、過去のデータを見ると、確かに1月にその年の株価上昇率の多くを占めている年があります。
また、毎月1日や25日には株価が上がりやすい、というデータもあります。
理由として考えられるもの
理由1:税制上の損益通算や、決算などの兼ね合いから、前年の年末に株式を売り、年明けに買い直す行動があるから
理由2:毎月1日や25日には株価が上がりやすい理由としては、積み立て投資をしている人が、その時期を毎月1日や25日に設定している割合が多いため
これが法則かどうかは、サンプルとなる期間が短いので一概には言えません。
たまたまその時期がそうだっただけかもしれません。
また、現代では「株式の値動きはランダム・ウォーカーであり、読めない」というのが定説です。
基本的に株式などの値動きはランダムで読めない、と考えられます。
株式投資には理論では説明できない「勝利の方程式」の裏技がある?
現実に過去において、特定の時期に株価が高い現象が見られました。
ということは、
と考えることもできます。
このように、投資の世界では「理論上は、法則はないはずだけど、短期間で見ると、説明のつかない法則のように見えること」が存在します。
ちまたでは「勝利の方程式・裏技・アノマリー(理論で説明できないできごとのこと)」などとも呼ばれます。
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みんな賢いので、そのうち裏技は通用しなくなる
長い目で見ると、その裏技が通用するのは、短い期間であると考えられます。
それは、市場はおおむね効率的だからです。
例えば、
しかしある日偶然、チケットが売られている穴場サイトを発見しました。
「これは良い抜け道を見つけた」と思います。
しかし、数日たつと今度はその抜け道が大混雑していました。
そのサイトはもう効率よくチケットの買えるサイトではなくなってしまいました。
こんなこと、現実に起こり得ます。
これは、他のファンが「みんな賢いから」です。
「誰かが抜け道を見つけると、賢い他のみんなもそれを利用しようとするので、結局、抜け道は通用しなくなる」ということです。
市場では本当に有効な裏技はすぐに通用しなくなると考えられます。
株式投資の「うまい話」ほど賞味期限が短い?

同じことが、投資でも起こります。
例えば次のようなものも、理論上は通用しなくなると考えられます。
・ 環境にやさしい企業の株を買うと、平均より良いリターンが出やすい
・ 1月に株式を買うと、平均より良いリターンが出やすい
こんな感じで、裏技・抜け道のようなものが通用するなら、すぐに世界中の賢い人々によって「あらかじめ買われてしまって、平均よりも良いリターンが出にくくなる」ことが考えられます。
つまり、裏技・抜け道が通用しなくなるのです。
もちろん、これは理論上のお話であり、現実には裏技・抜け道が通用しなくなるには時差があります。
このような「うまい話」を聞いたときは、そのネタの賞味期限は切れていないかどうかを考えます。
本当に「うまい話」ほど賢い人々によって、すぐに「うまくない話」になってしまいます。
裏技の情報を手に入れたら、まだ通用するかどうか、冷静に考えましょう。(執筆者:佐々木 裕平)