「貯蓄から投資へ」、これは小泉政権時代に掲げられたスローガンで、かれこれ20年近く経っていますが、まだまだ日本人の金融資産の変動を見る限りではこの考えが浸透してきたというようではないようです。
その原因として金融教育が足りないだとか、資産運用の概念が無いなど様々な理由が挙げられますが、その理由の先に「投資は危ない」という共通の認識を持たれてしまっているようです。
今回はそんな投資は危ないと思っている方にお伝えしたい、投資に対する根本的な考え方を2つご紹介させて下さい。
目次
投資と投機の違いとは

投資についてよくある誤解は投資と投機を一緒にしてしまうことです。
この2つの大きな違いは「お金の増やし方」です。
投資の場合
長期的な目線で将来有望な所に資金を投じお金を増やします。
投機の場合
それに対して投機の場合は、短期的な目線で相場の変化を利用しお金を増やします。
具体例で解説
この違いを子供にお小遣いを渡したという場合を例にしてみましょう。
ある子供はそのお金を参考書や勉強道具などの購入のために使い、またある子はパチンコなどのギャンブルに使うというケースがあったとします。
この場合、前者の場合はすぐにお金が戻ってくる事はありませんが、長い目で見て将来的にお金を稼ぐようになってくれればこれは「投資」になると言ってもいいでしょう。
後者の場合では短期的にお金が増えるか無くなるしかありませんので「投機」となります。
どちらもお金を増やすという最終的な目標は変わりませんが手段が異なります。
もちろん、どちらがいい悪いとは一概には言いいませんが、一般的に投資の方は長い時間を掛けて行うものなのでリスクを抑えることができ、リターンが合理的に予測ができると言われています。
投資と投機の使い分け

では投資と投機の使い分けはどのように判断するのか?
それは、お金を増やす目的によって判断していきますが、その目的には利益の最適化と利益の最大化という2つのものが存在します。
利益の最適化
利益の最適化とはお金を増やすのは贅沢をする為というわけではありません。
インフレでお金が目減りしないようにだとか、将来旅行に行きたいと考えていて利益が増えたら少し旅行のグレードを上げようといったように、利益を追求する金額や期間などの目的がはっきりしています。
この場合は将来の為にゆっくり準備する時間があるので、リスクとリターンが合理的に予測できる投資を利用する方が向いていると考えられます。
利益の最大化
それに対して最大化というのは、100万円の元金が一発あたれば500万円にもそれ以上にもなるが、外れれば元金が半分ならまだしも0になる可能性も十分あるが、とにかく多くの利益にすることが目的となります。
この場合はギャンブルや短期的な取引を狙うことになるので投機的になりやすいです。
目的が変われば手段も変わる
それぞれ、一長一短ありますが大事なのは自分がお金を増やす目的を明確にし、それに合った手段を正しく選択することです。
目的がはっきりすれば、きっとご自身に合った(必要な)運用方法が見つかるはずです。
儲かるという言葉に安易に流されずにお金に困らない豊かな人生を送る為に上手に利用されて下さい。(執筆者:西田 凌)