厚生労働省のモデル就業規則の改定が進められ、副業・兼業を推進する流れになってきました。
それを受けて副業を容認する会社も増え、世の中の関心も高まっています。
副業には投資やアフィリエイト、プログラミングなどさまざまなものがありますが、最近特に20代~50代の広い年代の女性の間でよく話題になるのが「インスタグラマー」などのSNS副業です。
今回の記事では筆者の周囲に多数いるSNS副業女子たちがどのように、そしてどのくらい稼いでいるのかをご紹介します。
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目次
SNS副業とは
SNS副業とはSNSツールを利用した副業のことで、SNSに写真や手芸品などの作品を披露して仕事を受注する方法や、輸入販売、アフィリエイトなども含まれます。
今回は中でも基本的に仕事を受注している、いわゆる「インスタグラマー」と呼ばれるような副業形態について解説します。
筆者の周りでSNS副業をしている人を例にとると、その方々がSNSに投稿している内容、つまり商売道具にあたるものは
・ 写真
・ マンガ
・ イラスト
・ 料理
・ 手芸品
など本人の趣味の産物がほとんどです。
そして多く稼いでいる有名インスタグラマー達ほど、もともとは
という方ばかりです。
趣味の写真や料理をアップしているうちにフォロワーが増えていき、SNSを見た人や企業から仕事として依頼を受けるようになって、気がつくとかなりの収入になっていたということのようです。
仕事の依頼はどうやってくるの?
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SNS副業における仕事の依頼というのは扱っている内容によってさまざまです。
趣味がカメラで風景や人物などの写真をたくさんアップしている人の場合
・ メーカーから新商品のPR写真の依頼を受ける
・ 個人的に家族写真や宣材写真の依頼を受ける
・ 旅行会社からの依頼で指定された旅先の写真を撮る
など、多様な依頼を受けています。
売れっ子になるとインスタグラムですてきな写真を載せるための講演依頼や、ハウツー本の執筆依頼などもあるそうです。
旅行会社からの依頼の場合にはもちろん旅行代は企業負担ですし、新商品のPRでは商品サンプルをたくさんもらえることもあり、依頼報酬以上に得をすることが多いようです。
料理を武器にしている人の場合
料理のインスタグラマーは「クッキングラマー」、「デリスタグラマー」などと呼ばれます。
・ レシピ考案
・ 新商品を使った料理の写真掲載
などの依頼があり、人気の「クッキングラマー」、「デリスタグラマー」であればレシピ本を出版している人もいます。
手芸が得意な人の場合
作品の製作依頼や、作ったものの売買がベースになるようです。
いずれの場合も仕事の依頼はアカウントを通してのやりとりになり、送られてきた商品のPR写真やレシピ考案、手芸品の製作依頼などはいずれも自宅で完結する仕事なので、住む場所や家庭状況によらず続けやすい仕事と言えます。
インスタグラマーの収入はいくらくらい?
実際に仕事受注型のインスタグラマーの方はどれ程稼いでいるのでしょうか。
仕事のペースや依頼数・受注割合によるので一概には言えませんが、筆者の知人の中にはフルタイムの本業とは別に、インスタグラムだけで月60万円以上継続して稼いでいる人もいます。
ただしこれ程稼ぐケースではそれなりにハードワークで、休日をほとんど副業に費やすほか平日の終業後にも副業の時間をとっているそうです。
子育てや本業をメインに行っていて月に数回受注する程度という方の場合は月数万円~10万円程度の収入になるそうです。
もちろん知名度がない時期の収入はゼロですので、安定した収入につなげるまでは時間と根気が必要です。
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SNS副業の始め方
アフィリエイトや販売の場合は別ですが、カメラや料理などの趣味でSNS副業をしたい場合には特に決まったやり方はありません。
インスタグラムなどユーザーが多いSNSツールでアカウントを作成し、自分の作品をひたすら投稿していくのみです。
今SNS副業で多くを稼いでいる人達も、仕事の依頼を受けるほどの知名度になるまで数か月~数年の時間がかかっています。
共通して見られるルール
・ 仕事のつもりではなく趣味として楽しく続けている
・ 必ず1日1回以上投稿している
毎日投稿したり、なるべく奇麗に写真を撮るなどの工夫は必要ですが、特別な知識や技術が必要な訳ではないので誰でも踏み込みやすい世界でもあります。
SNSで人気者になるなんて芸能人やかなりのセンスがある人だけではないかと思われるかもしれませんが、筆者の周囲にいるSNS副業で稼いでいる人の多くは普通の主婦です。
本名を出す必要もないので誰にもバレずに始めることができます。
ただし、年間20万円以上の報酬を得る場合には確定申告が必要ですし、会社の就業規則で副業が禁止されている場合には、仕事の依頼があっても受けることはできないのでご注意ください。
副業詐欺も横行しているので注意
最近ではSNS副業の流行を受けて、初心者を狙った副業詐欺も出てきています。
不明瞭な依頼内容で高額な報酬が設定されていたり、依頼主の情報が不確定な場合には安易に依頼を受けないように注意する必要があります。
また、「インスタグラマーにスカウトします」といったメッセージもよく見られますが、特定のメーカーや商品に関係ない不明瞭なスカウトの場合、後々個人情報や身に覚えのない振込みを要求される悪質なケースもあるので気をつけましょう。
夢を実現させやすい世の中に
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一昔前は裁縫や料理が得意であっても披露する場がなく、ご近所で評判になる程度で仕事につながるケースはごく稀なことでした。
ところが今では情報を発信するツールが発達し、ごく普通の主婦やOLがSNSで芸能人かのような人気者になることも多く見られるようになりました。
副業推進の風を受けてSNSを利用した仕事も広く認知されるようになり、いつかは趣味を仕事にしたいと思っていた人も夢を実現させやすい世の中になってきています。
副業しよう! というつもりでなくても、趣味の輪を広げる目的や備忘録としてSNSでの発信を始めてみるのも良いかもしれません。(執筆者:島村 妃奈)