マネーの勉強をしていると必ず耳に入るのが「投資」です。
将来のために投資を始めたいと思っていても、詐欺被害のニュースや不況で大損をした人の話を聞くとつい尻込みしてしまいます。
家計管理や節約はできても投資は怖くて手が出せない、という家庭も多く見受けられます。
しかし超低金利時代の日本では銀行の預金が勝手に増える事はなく、さらに度重なる消費税増税で生活コストが上がるうえに物価の上昇でお金の価値が下がるとなると、預金しているだけでは「お金が減っている」ことと同義になってしまいます。
今回の記事では「大儲けしたい訳ではないけれど、お金を減らしたくはない」という方にオススメの簡単かつ安全な投資法についてご紹介します。
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目次
預金が安全で投資は危ないという考えは間違い?
日本人は資産の多くを預金や保険商品などの預貯金にしている傾向があり、投資に充てる割合は海外に比べて極端に低くなっています(総務省・平成28年家計調査報告より)。
この背景には努力家で保守的な国民性と、投資への悪いイメージが影響していると思われます。
確かに大儲けしようと思って大胆な投資をすればその分損失を抱えるリスクが高まりますが、投資自体はギャンブルとは異なり安全な方法もたくさんあります。
銀行預金では資産価値は目減りしていくとも捉えられるので、大きな儲けを出さなくても金融商品を保有しておく事は非常に重要です。
何となくのイメージで毛嫌いせず、もしもの時のために少しでも投資しておいた方がむしろ将来の身の安全につながるかもしれません。
まずはネット証券でつみたてNISA口座を開設
投資を始めるにあたってはまず証券会社での口座開設が必要です。
実店舗型の銀行や証券会社は対面で相談できる事が強みですが、必ずしも古くから続いている会社や対面で話せる仕組みが安全とは言えません。
営業員の方は売り上げを出すことが仕事なので、手数料が高く取られたり思ったより損してしまう事も十分にありえます。
インターネットで自ら情報収集できる世代であれば、ネット証券を使うのがオススメです。
ネット証券では口座開設から取引まで全て自宅で行う事ができ、手数料も少ないか、あるいは無料になっている所がほとんどです。
ネット証券の中でも特に人気が高いのがSBI証券と楽天証券で、取扱商品の豊富さやサービスの観点から、口座開設はこれら2社の中から選ぶのが賢明と言えます。
楽天証券では昨年末から積立投資の方法に「楽天カードクレジット決済」が加わり、月5万円までであれば投資の買付に楽天カードのクレジット決済を利用できるようになりました。
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楽天カードのクレジット決済では1%の楽天ポイントが還元されるので、月5万円ずつ積立投資する事で毎月500円のキャッシュバックがもらえるのです。
お金を使っていないのに毎月500円もらえるなんて夢のような話ですよね。
他にもさまざまなキャンペーンが開催されているので、ぜひ利用したいところです。
また、口座開設にあたっては源泉徴収されない一般口座と特定口座、NISA口座、つみたてNISA口座などがありますが、高額を投資する予定がなく、期間も定めていない状態であればつみたてNISA口座の利用がオススメです。
年間40万円まで投資することができ、つみたてNISA口座内での売買益には税金がかかりません。
ただし一部の金融商品はつみたてNISAでは取扱がないので、ある程度保有したい物が定まっている場合にはよく調べてから開設する必要があります。
リスクの低い投資信託や債券を保有
では実際に投資を始めるとしたら、数ある商品の中で何を買えば良いのでしょうか。
有価証券(株)は株主優待や配当がありお得感満載ですが、会社の経営状態によって株価が乱高下することもあり、リスクが低いとは言えません。
価格の変動という観点で安全なのは国債や社債などの債券です。
低金利時代なので銀行預金と同様にあまり利益は見込めませんが、決まった金利が返ってくるので経済状況を気にする事なく生活できます。
外貨建ての社債などは利益が高くても為替リスクを含んでいるので簡単には手を出さない方が得策です。
手数料のかからない商品が多くなってきています
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また、最近では投資信託も優良な商品が取りそろえられています。
ここ最近では信託報酬(その投資信託を保有する事でかかるコスト)が一気に低くなり、購入や売却にも手数料のかからない商品が多くなってきたのでまさに買い時のタイミングです。
とにかくリスクを取りたくない場合には債券の投資信託を選び、少しでも利益を出す方が良いのであれば株式や不動産を扱う投資信託まで視野を広げてみてください。
損をしないためには投資内容を分散する事が重要ですので、最近出てきている「資産分散型」、「資産分散 波乗り型」などのバランス型商品もオススメです。
投資信託の場合は会社が破綻した時の保証の限度がありません
また、銀行預金の場合その会社が破綻した時の保証(ペイオフ制度)で戻ってくるお金に限度がありますが、投資信託の場合にはその限度がないのも低リスクとされる理由の1つです。
投資信託を保有すると販売会社、運用会社、信託銀行などの会社との取引がある状態になりますが、いずれの会社が破綻しても資産を失うことはない仕組みになっているのです。
投資が怖いと感じている人でも始めやすい商品が多数そろっているので、ぜひ1度投資信託について調べてみてください。
投資はギャンブルではなく立派な資産管理の1つ
日本人は古くから預貯金を大事にする文化があり、楽して儲けようとしてはいけないという教育を受けてきました。
しかしFXなどの高度な取引は別として、投資自体はギャンブルではなく立派な資産管理法の1つです。
今のうちに少しずつ勉強して金融リテラシーを身につけ、「置いておくだけで減っていく」銀行預金よりも「置いておくだけで増えていく」投資を選んだ方が将来の生活が潤うかもしれません。(執筆者:島村 妃奈)