iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称です。今後は公的な年金だけでは長寿化・少子高齢化に対応できないかもしれません。
そのためiDeCo(イデコ)には「もう一つの年金」として多くの人が加入できます。
そのiDeCo(イデコ)は窓口となる金融機関ごとに取り扱う金融商品が異なります。
今回は「ろうきん」のバランス型投資信託にスポットを当てます。
※本記事はろうきんを推奨・勧誘するものではありません。ろうきんの金融商品のラインナップを通して合理的な投資対象を考察することが本旨です。
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目次
ろうきんってどんなところ?
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上記サイトによると、次のように記されています。
・ろうきんは「はたらく仲間がつくった」福祉金融機関です。
・ろうきんは「営利を目的としない」金融機関です。
・ろうきんは「生活者本位に考える」金融機関です。
どうやら私たち生活者にとって優しい金融機関のようです。
ろうきんのバランス型投資信託とは何か
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さて、そんなろうきんのiDeCo(イデコ)のラインナップですが、今回はバランス型投資信託にスポットを当てます。
ろうきんのバランス型投資信託は3本です(記事作成時点)。
3本と聞くと、すでにiDeCo(イデコ)を別の金融機関で行っている人からすると「少ないのでは?」と感じるかもしれませんが、これが良いのです。
多すぎる選択肢はしばしば「マシでないモノ」を選んでしまう要因や「よく分からないから、なじみ深い預貯金だけにする」という選択肢を選んでしまう要因になり得ます。
シンプルが良いのです。
では、ろうきんのiDeCo(イデコ)のバランス型投資信託、3本を見てみましょう。
2.(株式60%)DIAMバランス・ファンド<DC年金>2 安定・成長型【信託報酬】年率 0.3132%(税込)
3.(株式80%)DIAMバランス・ファンド<DC年金>3 成長型【信託報酬】年率 0.3456%(税込)
これだけです。シンプルです。
バランス型投資信託はどれを選んだら良いの?
ここでよくある「自分の資産形成を難しくしてしまう原因」は、これらのバランス型投資信託を、「より分散しようとして、全部買ってしまう」ことです。
これは、まずいです。
なぜなら、上記の3種類はザックリ言うと、株式の比率が異なるという特徴があるだけです。40・60・80%ですね。
これは、カレーで例えると、甘口・中辛・辛口という具合です。
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株式の比率が高い方がリスク(値動きの幅)は大きくなります。
そのため、自分の味覚(値動きに耐えられる許容範囲)に合ったものを一つ選ぶことが重要です。
それだけで十分に分散投資ができます。カレーだって、甘口でもたくさんのスパイスが入っていますよね。
どの辛さがあっているかは、人それぞれです。ですから、どれが良いかは、本人が決めることです。
そして、普段カレーを食べる時も、甘口・中辛・辛口を毎回全て買ってブレンドして食べる人は少数派でしょう。
いたとしても、好みの辛さに調整するのが大変です。
というか、それなら最初から甘口・中辛・辛口からどれか一つを選べばよいだけです。
投資も同様です。
・自分の味覚(値動きに耐えられる許容範囲)に合ったものを一つ選ぶことが重要
・バランス型投資信託を複数買っても、よく分からなくなり、管理が複雑になるだけ
バランス型投資信託を選ぶ際の3つのポイント
ですから、バランス型投資信託を選ぶ際は、次のポイントが重要です。
1.株式の比率が何割かが、一目で分かること
2.信託報酬と呼ばれる毎日発生するコストが年間で0.3%程度(より低い方が良い)かどうか
3.バランス型は既に分散投資されているので、自分で無駄に複数買ってブレンドしない(良く分からないものになってしまう)
どの投資信託を買っても「必ず運用成績が悪い時期がある」
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バランス型に限らず、ご自分で投資信託を十数種類も買ってしまうと、資産全体でどのくらいの辛さ(リスク(値動きの幅))なのか、どのくらいの期待リターンなのかが分かりません。
もちろん、プロが見ても良く分かりません。ブレンドしたカレーを見せられても、味が分からないのに似ています。
また、よくある誤解として運用成績のずっと良い投資信託は「ありません」。
その時の経済情勢によって運用成績の「良い・悪い」が変化するだけです。
別の言い方をすると、どの投資信託を買っても「必ず運用成績が悪い時期がある」ということです。
長期分散投資で重要なのは、長く(数十年)付き合えるかどうかです。
そのため、自分の味覚に合った辛さのカレー(バランス型投資信託では株式の比率)を選ぶことが重要です。
あなたの好みは「甘辛・中辛・辛口」どれですか?(執筆者:佐々木 裕平)